【DeNA】日本一で成長したチーム 来季“完全優勝”に必要なものは プロ野球12球団担当記者が見た2024年
新主将・牧秀悟 日本Sで得たチームの成長を自信に
23年のDeNAは「絶対に勝たなければいけない試合」をとことん落とした。 “勝てば2位負ければ3位”の巨人との最終戦、エース東が好投も、完封負けでCS本拠地開催を逃した。その後広島とのCSではロースコアの接戦を落とし敗退。いずれも投手陣が踏ん張ったものの、強力打線がうまく機能せず負けていた。 そんなシーズンが終わり、発表された新キャプテンが牧秀悟だった。取材を受ける牧の顔は、どこかこれまでと違っていた。明らかに「責任」を背負った覚悟の顔。 「もう負けたくないという思いが強い。個人よりチームを優先して、優勝を目指してやっていきたい」 プロでの実績3年ながら、ルーキーイヤーから常に結果を残してきた牧は、すでに自分のことよりチームのことを想った。 当然、三浦監督はそんな牧のキャプテンの素質を買っている。 「牧のすごいところは、凡退した後。悔しいと思いますけど、すぐに次の打者を鼓舞する。チームとして戦ってる姿勢を見せてくれてますし、すごくキャプテンシーを感じる選手です」 12球団最年少のキャプテン。24年もたくさん悩み、たくさん考え抜いたことは容易に想像できる。 それでも、後半にかけて牧が打ち出したスローガン「勝ち切る覚悟」は快進撃のきっかけとなったに違いない。「絶対に勝たなければいけない試合」を経験してきた選手たちは、このスローガンの意味をすぐに理解できたであろう。牧は改めてチームを一つにした。 【2024年成績】 牧秀悟 打率.294 23本塁打 74打点 「自分にあと1本が出ていれば…」そんな悔しい試合を経験してきた牧が、勝てば日本シリーズ進出が決まるCSファイナルステージ巨人戦、同点の9回に勝ち越しタイムリーを放った。自分の手で、「絶対に勝たなければいけない試合」を勝利へと導いた。 さらにその後、牧は日本シリーズの中でも劣勢になると緊急ミーティングを開きチームを一つにした。結果、DeNAは日本一をつかみ取った。 「プレーでもそうですけど、チームのことを見るって本当にとても大変なことだと思いますし、本人が一番苦しかったでしょうけど、また一回りも二回りも大きくなると思う。牧一人じゃなくて周りもしっかりサポートしながら、みんなでまた頑張っていけたらいいかなと思います」 日本一になった直後のインタビュー、MVPの桑原が語った。 桑原だけではない、前キャプテンの佐野や筒香など、最年少のキャプテンを見守り、アドバイスを送る先輩たちはたくさんいる。 最後に牧に聞いてみた。「キャプテンとしての牧秀悟に点数をつけるなら?」 「まだまだですね。どんくらいですかね…30点位じゃないですか!」 シーズンの悔しさはまだ晴らせていない。それでも、まだまだ伸び盛りの牧キャプテンの元、「絶対に勝たなければいけない試合」を“勝てる”チームになった。この経験は必ず来季も生きるはずだ。 (文・入江早雪)
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