【DeNA】日本一で成長したチーム 来季“完全優勝”に必要なものは プロ野球12球団担当記者が見た2024年
オースティンと筒香 厚みの増した打線
打線において、大きな存在となったのがオースティンである。 ここ数年、ケガで稼働が少なかったオースティンが5年目にして初の規定打席に到達。打率.316でセ・リーグ首位打者に輝くと、チームトップの25HR、チームで2位の69打点をマーク。 23年最多安打&最多打点の牧秀悟(26)、2度の首位打者に輝いた宮﨑敏郎(35)、20年首位打者・22年最多安打の佐野恵太(30)と強打者たちが並ぶ打線の中で、シーズン途中から4番を担い結果を残した。 チャンスにも強く、得点圏打率はリーグトップの.388。ここぞの場面で試合を決めた。 【2024年成績】 オースティン 打率.316 25本塁打 69打点 また、MLB挑戦から古巣DeNAに復帰した筒香嘉智(33)の存在も大きかった。 日本でのプレーに苦戦しながらも、一発を放つのは劇的な場面が多かった。復帰戦となったヤクルト戦では第1号逆転3ラン。さらに2号、3号も決勝点となる一発。日本シリーズでも第6戦に先制弾を放つなど大事な試合、大事な場面で放つアーチは健在だ。 【2024年成績】 筒香嘉智 打率.188 7本塁打 23打点
若手の台頭と共に得た“新たな武器”
そんな重量DeNA打線は24年新たな武器を手に入れた。 24年シーズン、レギュラーが固定されなかったポジションが2つある。「外野」はレギュラーのレフト・佐野を除き10人もの選手が起用された。そして「ショート」は7人の選手が起用され、最後までレギュラーが固定されなかった。 しかし、逆に言えばこの2つのポジションではたくさんの若手が試された。中でも存在感を見せたのが3年目の外野手・梶原昂希(25)と5年目の内野手・森敬斗(22)である。2人は共にキャリアハイの試合出場数をマークし、打撃や守備ではもちろん、持ち前の快速でチームに「機動力」をもたらし、日本一に貢献した。 三浦監督就任後、毎年キャンプから「走塁」への意識改革に取り組んできたチームであったが、シーズンでは中々うまく発揮できずにいた。実際、23年の盗塁数は33個で12球団ワースト。 ところが、24年から打撃コーチに加え走塁コーチも兼任した石井琢朗コーチの「走塁改革」でチームの意識や技術が向上。リーグトップの69盗塁を決め、主力の牧が11盗塁をマークするなど確実に成果が出ていた。 その意識や技術が加わることで最も数字に期待できるのが、もともと「足」に強みを持つ選手だ。盗塁個人のリーグトップは阪神・近本の19盗塁。梶原はそれに次ぐ16盗塁を決め、森は近本の3分の1の打席数で8盗塁を決めた。 機動力をもっと多くの場面で出すことができれば得点力も上がる。来季の目標に「盗塁王」を掲げた梶原と森。2人だけでなく日本シリーズMVPの外野手・桑原将志(8盗塁)や、ショート・林琢真(6盗塁)など、足を武器にできる選手はたくさんいる。 来季はこの「走攻守」全てのレベルアップが求められるポジション争いにも注目したい。 【2024年成績】 梶原昂希 打率.292 4本塁打 30打点 16盗塁 森敬斗 打率.251 5打点 8盗塁
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