健康のためのウォーキング。「速く歩く」ことによって、病気リスクが軽減される可能性も!
ウォーキングは、かなり取りかかりやすい運動の1つ。 特別な道具も会員登録もいらないうえに、運動だと思っていなくても、普段の生活で歩数を稼いでいます。 しかし、健康促進のためには、どれくらいの速度で歩かなければいけないのでしょうか? 最近の研究がその答えとなるかもしれません。
「歩く速度」によって病気のリスクが軽減?
先日の「英国スポーツ医学ジャーナル(British Journal of Sports Medicine)」に載っていたメタ分析で、さまざまな速度で歩いた人たちの、2型糖尿病になるリスクを比較していました。 多くの場合、どれくらいの速度で歩いたか報告するように言われており、それ以外の場合は、Fitbitなどのトラッカーを装着するか、病院で時間を計ってウォーキングテストをしてもらいました。 歩く速度は以下のように分類しています。 軽いウォーキング:時速3.2km未満。 普通のウォーキング:時速3.2~4.8km。これは、Google マップが徒歩の移動時間を見積もるのに使用している、時速4.8kmに相当する。 活発にキビキビとウォーキング:時速4.8~6.4km。 大股で急いでウォーキング:時速6.4km以上。 多くの人が、走らずにもっとも速く歩く速度が時速6.4kmだとわかっています(当然ながら、その人の脚の長さなど個人的な要因によって異なります)。 このメタ分析では、普通の速度や活発にキビキビとしたペースで歩いた人たちは、その後2型糖尿病になる可能性が低い結果となりました(平均の経過観察期間は8年)。速く歩いた人ほどリスクが低く、大股で急いでウォーキングした人は、軽いウォーキングをした人に比べて、2型糖尿病になる可能性が39%低かったのです。 この結果に基づけば、できれば時速4.8km以上で歩いたほうがいいということになります(時速4kmは、通常“中程度の”強度の運動だとみなされています)。 しかし、著者はこの結果について「主観やバイアスによる公平性に欠く可能性の高い研究が主で、信ぴょう性は低~中程度だ」と指摘しており、結果を完全に鵜呑みにしてはいけないだろうと言っています。