職員安否など一斉集約 災害発生時の連絡システム初の訓練 三重・松阪市
4月に導入 スマホアプリで被災状況も報告
三重県松阪市は、今年4月から導入したスマートフォン連絡システム「市災害時職員参集ハンドブック『あつまる』」を使った一斉安否報告訓練をきょう18日、初めて実施した。スマホシステムでは速やかな災害対応につなげるため、職員が動ける状態か否かを伝える「参集報告」ができることが特徴の一つ。訓練では午前7時に震度6強の大地震発生を想定し、対象2500人に対し、正午時点で2399人から報告があった。 防災対策課が開発した連絡アプリ・あつまるは、松阪市民病院と松阪地区広域消防組合を除く市の全ての正規職員、会計年度任用職員を対象に4月9日から運用を始めた。 これまでは各課長らが職員に向けて電話で安否状況などを聞き取っていたが、職員が手元のスマホを使って自発的に報告できる体制になった。災害対策本部など報告を受ける市側では、より迅速に情報を収集し、効率的な職員の被災地派遣へとつなげることができる。 アプリでできる主な報告内容は、職員自身の「安否」と、職員が収集した地域の「被害状況」の2点。 安否報告では「参集可否」の項目があり▶参集可能▶不可▶参集不要▶対象外──から選択。「自身の状況」では「異常なし」「市外・県外に外出中」に加え、「子供を預けることができない」などの選択項目もある。「被害状況」では職員が一市民として確認した地域の被災情報を報告でき、写真も添付できる。 この日の訓練は、病気休暇中の職員を除く全職員を対象に初めて実施。想定した大地震発生時刻の午前7時以降、職員が、あつまるを使って所属長らに状況を報告した。市防災対策課によると、あつまるで報告を受けたのは正午時点で全職員の約96%に当たる2399人。午後3時の訓練終了後には同課が中心となって効果などを検証する。