涙の休業 名物ドライブイン「食堂S・S」 愛され60年…メニュー150種類以上、トラックドライバーの胃袋と心を満たす 高齢化など理由に店主が“苦渋の決断” 常連客は再開信じる
安藤かね子さん(73)は40年以上、調理全般を担当してきました。 40年以上勤務・安藤かね子さん(73): 「なんとも言えないけど、プツンと切れちゃう感じだね、気持ちがね。頑張って頑張って、おかげさまでやってはきたけど」 食堂S・S木曽本店 店主・佐藤秀喜さん: 「本来なら、もうちょっと続けてできるところまでやりたかったんですけれど、従業員の方の限界が来てしまって。長年このS・Sの味を担ってきて、ずっと守ってくれた人たちですから、それを引き継いでくって簡単なわけにはいかないんですよね」
4月24日午前5時すぎ―。 朝の開店準備はいつも通り。
朝の開店準備はいつも通り。 食堂S・S木曽本店 店主・佐藤秀喜さん: 「朝イチでおいしい炊き立てのご飯を食べていただきたいので毎朝、早く来て炊かないといけない(笑)」
朝6時に開店するとドライバーたちが次々と。 40年来の常連客・トラックドライバー: 「何とも言えない、この甘みがおいしいよね。家庭ではこうはいかない」 店の「休業」はー。 40年来の常連客・トラックドライバー: 「休業は困るな、本当に寂しいよね」 トラックドライバー: 「若い人が来てもらって継いでもらえたらいいな」
にぎわう店内。 昼は入店を待つ列ができるほどでした。 ファンはドライバーだけではありません。
30年通う地元の常連客: 「ちょっと休まれるということで、どうしても食べたいメニューがありまして」 待つこと10分ー。 男性が頼んだメニューは、昔ながらのしょうゆラーメンと定番の「サバ煮」とみそ汁などがついた「普通定食」。かなりのボリュームです。 30年通う地元の常連客: 「ここ来たら、これとこれですね。塩尻市民の心に残っている食堂だと思いますので、やっぱり(休業は)寂しい」
食堂S・S木曽本店 店主・佐藤秀喜さん: 「来る方、来る方が『やめちゃうの?』『本当にもったいない』『困っちゃうよ』とか逆に今この時期になると『頑張って次を探して早く再開してよ』という声も多く」 「閉店」ではなく「休業」にしたのは佐藤さんも後継者が現れることに希望を持っているからです。 建物を残して、「後継者候補」には広丘店で修業してもらい、いつか再開させたいと考えています。 食堂S・S木曽本店 店主・佐藤秀喜さん: 「早くまた再開してよと、それに本当に早く応えたいと思っている。また『再スタート』という形で今、考えてます」