「ノーヴィス」で映画デビュー、ディロンとの“特別な瞬間”をイザベル・ファーマンが明かす
「エスター」シリーズのイザベル・ファーマンが主演を務めた映画「ノーヴィス」が全国の劇場で上映中。このたび、同作で映画デビューを飾ったトップモデルのディロンを捉えた場面写真と、ファーマンや監督のローレン・ハダウェイが彼女について語ったコメントが届いた。 【画像】トップモデルから俳優へ、ディロンの映画デビュー作「ノーヴィス」場面写真はこちらから 同作は、大学の女子ボート部に入部したアレックスを主人公とする物語。彼女が猛烈に練習に励む中で、あまりに強い執着心が次第に狂気を帯びていく様子が描かれる。ファーマンがアレックス役、エイミー・フォーサイスがスポーツ万能な同期のジェイミー役を務めた。 ディロンは1994年5月13日にドミニカ共和国で生まれ、アメリカ・ニューヨークで育った。ランウェイモデルとして10年以上のキャリアを持ち、これまでヴェルサーチェ、フェンディ、マイケル・コース、マーク ジェイコブスなど数々のブランドのショーに出演。Netflixシリーズ「HALSTON/ホルストン」では1970年代のスーパーモデルの一人パット・クリーブランド役を担い、ジェシカ・チャステインら出演のファミリードラマ「Memory(原題)」、ヒラリー・スワンク主演のミステリースリラー「The Good Mother(原題)」にも参加した。 今作でディロンが任されたのは、アレックスのガールフレンド・ダニという重要なキャラクター。大学のチューターであるダニは、学業でも完璧を目指して試験のたびに最後まで教室に残るアレックスを、煩わしく思いながらも気にかけており、ある日自分のライブに誘ったのをきっかけに急接近していく。場面写真には、ダニがライブハウスで歌うシーンや、アレックスと親密な関係になっていく姿が切り取られた。 ハダウェイの自伝的な意味合いを持った同作の企画が進められるにあたって、ダニ役のキャスティングはもっとも難航したそう。ハダウェイはディロンの印象を「完璧な応募者がオーディションに転がり込んできてくれて、スタッフみんな興奮しちゃって!」「彼女には落ち着いたオーラのエネルギーがあった」と振り返る。撮影前にはFaceTimeで話をしたこともあったそうで「そのとき、彼女はギターで弾き語りもしてくれて。ちょっと気まずかったけど(笑)、すごくいいなって思ったんです」と明かした。 劇中では、ダニとの関係を通してアレックスがクィアな人物として描き出されていく。ハダウェイはこのことについて「クィアでロマンチックな物語がこの映画の中で語られていることは重要なことです。その重要性を尋ねられると、つい誇張したくなることもあります。でも、私は、ジェンダーや性的指向に関するメッセージ的な物語を意図したことはありません」と言及する。さらに「“知っていることを書け”というある作家のアドバイスに従って、ボートの世界を舞台にした闘志と執着についての脚本を書いたんです。私はたまたま女子ボートチームに所属していたし、クィアでもある。それだけなんです」とも話した。 ファーマンは「とてもゴージャスで、信じられないくらい明るいエネルギーを持っている人だと思う」とディロンの魅力を紹介する。さらに何事にも情熱を傾け続けた結果、心身のコントロールができなくなったアレックスをダニが受け止めようとするシーンの撮影に触れて「途中でディロンが私のシャツをつかんだんです。それで私たちは怒鳴り合い、泣きながら地面に倒れ込んだ。そこからのシーンはすべて、脚本にはない私たち2人の間で実際に起こったことです」「あのシーンは女優として両手で数えられるほどしかないような、リアルで特別な瞬間だったんです。それまで私がしてきた準備をはるかに超えて、まったく新しいものに変えようとした彼女の選択があったからだと思います」と感慨深げに語り、ディロンを称賛した。 (c)The Novice, LLC 2021