攻めの演出連発、実写映画「銀魂」が原作ファンに受け入れられた理由とは?
ギャグ路線と攻めの演出
「『銀魂』のヒットの要因を語るうえで、外せないのは福田雄一監督の手腕でしょう。福田監督といえば、映画監督として『HK 変態仮面』をヒットさせるなどの実績を持つだけでなく、放送作家として数々のバラエティー番組の構成なども手掛けています。今回の劇場版にはさまざまなギャグ要素を取り入れていますが、橋本環奈さんに“鼻ほじ”をさせたり、菅田将暉さんや菜々緒さんに下ネタをバンバン言わせたり、歌舞伎俳優の中村勘九郎さんを全裸にさせたり、人気マンガやアニメ、映画などのパロディーを連発したりと、かなり攻めた演出をしていて、それをきちんと笑いに昇華させています」(前出の映画誌編集者) その一方で、単なる映画監督としての一人よがりにならず、原作への敬意や愛情が感じられるのも見逃せないという。
監督、キャストに通じる原作への敬意と愛情
「小栗さんをはじめ、出演者はかなり原作のキャラクターにビジュアルを寄せていますし、ストーリー自体をアレンジしていても、原作の世界観を汚さないようにかなり気を使っています。監督の原作や映画への愛情が感じられるから、出演者も攻めの演出を受け入れたんだと思います」(映画ライター) こうした原作への敬意や愛情は共演者も共有していたのだろう。 「今回の実写映画化が決定した際、福田雄一監督が自身のTwitterで、小栗さんと菅田さんが実写化を謝罪する動画をアップして話題を呼びました。もちろん話題作りやギャグ要素という側面もあるのでしょうが、それを加味しても多くの実写映画が著名な監督や旬の人気俳優、女優により“上から目線”で実写化される中、低姿勢で作品作りに臨む態度を示したことはプラスに働いたと思います」(同映画ライター) 監督や出演者の原作に対する愛情や敬意は、実写映画の関係者が思っている以上にファンには伝わるものなのかもしれない。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)