商船三井、LNG輸送船を1.5倍に増強へ-脱炭素も需要拡大見込む
商船三井が4月に発表した中期経営計画の進展状況によると、同社はLNG船を含むエネルギー事業に当初計画していた5300億円を上回る6570億円の投資を決定している。橋本社長は今は投資拡大を優先しており、今期(25年3月期)の自社株買いは「基本的には考えていない」と述べた。
東京証券取引所による資本効率の改善要請を受け、上場企業各社は株主還元拡大などの取り組みを加速している。国内海運大手の日本郵船や川崎汽船は大型の自社株買いを発表しており、商船三井とは戦略に違いが出ている。
橋本社長は、東証が求める株価純資産倍率(PBR)改善は投資を企業成長につなげることで実現していく考えだとし、投資の結果が出てくるまでは1-3年程度かかることから「やや長期戦になる」と説明した。手持ち資金を使って自社株買いを行って「純資産を減らすことでPBR1倍を達成することはテクニカルにはできると思うが、私自身はそこにあまり意味があるとは思えない」との考えを示した。
橋本社長は自身に与えられた責務は「あくまでも時価総額を増やしていくこと」だと強調。その実現のために投資を通じた成長を目指していく考えだとした上で、「その投資先がないというときには自社株買いもありなのだろう」と述べた。
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--取材協力:Stephen Stapczynski.
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Tsuyoshi Inajima, Akemi Terukina