仮設に年賀状「やっぱりうれしい」 奥能登の被災者 「おめでとう」表現少なく
石川県内各地で1日、年賀状が配達され、奥能登の住宅や仮設住宅にも無事届けられた。昨年元日の地震による被害への配慮もあり、例年より枚数が減った世帯や、「おめでとう」との表現を避けたはがきもあったが、受け取った被災者は「やっぱりうれしい」と表情を緩ませた。 珠洲市飯田町の仮設住宅に住む篠原敬さん(64)の元には、旧住所から転送されたはがきを含め、例年と同数程度の年賀状が届いた。「あけましておめでとうございます」と書かれていないケースも多く、篠原さんは「気を使ってくれたのだろう」と推察した。 ●「励ましてもらえる」 仮設住宅への転送手続きをしていなかったため、同市正院町にある損壊した住宅で受け取った女性(68)は、例年の300通ほどから今年は60通ほどに減ったという。年賀状を出す気持ちにはなれなかったというが、実際にはがきを手にすると「『一緒に頑張ろう』と励ましてもらえてうれしい」と喜び、返信を書くと笑顔を見せた。