都知事選、全22回で延べ314人立候補…知名度が勝敗を左右
データでみる都知事
今回で22回目となる東京都知事選は1947年の第1回以降、延べ314人が立候補した。これまでに都知事の座についたのは9人。都内の有権者約1100万人のほぼ半数は、特定の政党を支持しない「無党派層」とされ、政治経験よりも、知名度の高さが勝敗を左右することが多い。 【一覧】都知事選に立候補した56人(写真とプロフィル)
こうした傾向が強まったのが、95年に初当選した5代目の青島幸男氏からだとされる。青島氏は放送作家を経て、テレビドラマ「意地悪ばあさん」の主役をコミカルに演じたお茶の間の人気者。その後、参院議員に転じ、タレント政治家の草分け的存在となった。
都知事選では「30年間、政党に所属しないでやってきた私は都民のために勇気を持って決断し、行動できる」と既成政党の支援を受けず、街頭演説を一切行わなかった。しかし無党派層を取り込んで、与党相乗りの官僚出身候補らに圧勝。当時の自民党幹部は、無党派層を「怪物みたいだ」と表現した。
以後、芥川賞作家で衆院議員だった石原慎太郎氏、同じく作家で石原氏を副知事として支えた猪瀬直樹氏、鋭い論評でテレビ番組で人気を博した国際政治学者の舛添要一氏らが都知事を務めた。
青島知事が誕生した95年知事選以降の立候補者計181人の主な経歴を調べると、外食大手「ワタミ」創業者の渡辺美樹氏ら実業家が27%を占める。石原氏のように国会議員から転じた人のほか、浅野史郎・元宮城県知事や東国原英夫・元宮崎県知事ら県知事経験者などの政治家も多い。2014年には、熊本県知事を経て首相に上り詰めた細川護煕氏も出馬した。07年には世界的建築家、黒川紀章氏の出馬が話題になるなど、文化人や芸能人の候補者も多い。
厚生労働相などを経て14年に初当選した舛添氏は、「閣僚時代は政策実現のために党内調整で妥協する場面もあった。だが、首都のトップなら豊かな財政力を背景に、トップダウンで国に先駆けて目指す都政を実現できると考えた」と都知事選に挑戦した理由を語る。