イースター祝日が重なる23年度末、日本の金融市場はリスクに直面
日米の利回り格差が縮小するかどうかを示唆する数字が示されれば、円相場に影響を与える可能性がある。日本の国債利回りも米国債利回りに左右されるため、指標に対する米国での反応が明確でなければ、日本の債券市場が方向性を見いだすのは難しいだろう。
4月1日に米国市場は再開するが、オーストラリア、英国、フランス、ドイツなど他の主要国はまだ休場だ。米証券業金融市場協会(SIFMA)はイースターマンデーの1日の国債取引を午後3時に終了するよう勧告している。
利益確定売り
日経平均株価が史上最高値を更新し、先週の植田和男日銀総裁の決断は日本株に対するセンチメントにほとんど影響を与えなかった。日経平均の年初来上昇率は約20%で、世界で最も値上がりしている株価指数の一つ。ただ、これは行き過ぎではないかとの懸念が高まっている。東証株価指数(TOPIX)は89年12月に記録した史上最高値まであと4%に迫っている。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、4月に入ると例年銀行が利益確定売りを出すことを挙げ「あまり楽観視できない」と述べた。日経平均は4万円台にあり「再び4万1000円に近づいているため、それなりに売りが出てきそうだ」とみている。
日経平均の銘柄入れ替え
大和証券の橋本純一チーフクオンツアナリストは今月のリポートで、3月最終営業日の日経平均の銘柄入れ替えに伴う投資家のポートフォリオ調整が一部銘柄の株価変動につながる可能性を指摘した。東洋証の大塚氏は、入れ替えがあるため株式市場の需給を読みにくいと語った。
債券インデックス
国債に対する需要は変動する可能性がある。債券インデックスのデュレーション長期化は長期ゾーンの国債選好をもたらす。27日に行われた40年債の入札も、日銀の追加利上げ観測が根強いにもかかわらず、強い結果となった。
岡三証券の長谷川直也債券シニアストラテジストは「国内投資家は年度末のため基本的に積極的に売買をしない」とした上で、「相場は振れやすくなっており慎重な取引対応が求められる」と話した。