「ジャニーによる性被害は全容解明された」 当事者の会元代表・平本氏が明かす「525人の補償交渉」の舞台裏
■補償額は「2000万円級」の人もいる 平本氏はこれまで約200人の被害者から相談を受けたというが、実際にどのくらいの人が補償を受けられたのだろうか。 「僕が支援した約200人は、最初から僕に連絡してきた人たちとSMILE-UP.から補償を断られた人たちです。僕が相談を受けてからSMILE-UP.に申告し、補償を受けることになった人もたくさんいます。金額的にも決して安くはなく、500~1000万円が一番多い。高い人で1000~1500万円、2000万円級の人もいます」 中には、SMILE-UP.からの提示額に不服だったケースもあるようだ。 「700万円とか900万円とか中途半端な額を提示されたとして、僕のところに相談に来る人もいます。僕は不服申立書についてアドバイスをしたり、陳述書や不服申立書の代筆もしました。それで提示額に上乗せできた人はたくさんいます。それを知らず、僕とつながっていない人は提示額をそのままのんでしまうことが多いことも、後で知りました」 平本氏によると、金額が折り合わないなどの理由で、調停になったケースが4件確認されているという。 これとは別に、SMILE-UP.が被害者を提訴したケースも2件ある。 1件目は、昨年10月9日に放送された「ニュース7」(NHK)で、ジャニー氏からNHKのトイレ内で性被害にあったと告発したA氏。 「Aは『当事者の会』に1カ月ほどいましたがすぐに辞めてしまいました。そのため、Aとは連絡を取っておらず、事実関係はわかりません。ただ、NHKのトイレでジャニーから性被害にあったということは、十分にあり得ます。旧ジャニーズのレッスン場がNHKとテレビ朝日の局内だった時代がありますし、関西のテレビ局でもトイレで性被害にあったというケースがあったからです」 2件目は「当事者の会」副代表だった石丸志門氏。SMILE-UP.と石丸氏は補償額をめぐって調停になったが、両者が折り合わず、SMILE-UP.側が提訴に至ったという。 「訴状が石丸のところにすでに届いていますが、僕からは何も言えません。SMILE-UP.側は早く幕引きをしたがっているように見えますね。裁判をしてゴネるとこうなるよ、という一種の脅しでもあるようにも感じてしまいます」