阿川佐和子さん、きもの姿がぐっと“映え”るポージングで「撮られ美人」に
立ち姿の基本を身につけたら、補足として覚えておかねばならないことは、せっかくの着物をいかに美しく見せるかということだ。 その一つがバッグの持ち方と位置。ギュッと強く握りしめてはいけない。案外、手先に性格は表れるものだ。そっと持つ人とギュッと握りしめる人とでは、おのずと優雅さに差が出る。ちなみに私は後者である。 続いてバッグの位置。バッグで帯を隠さない。移動中や立ち話をするときはかまわないけれど、「はい、写真撮りますよー」と号令がかかったら、ただちに帯の前から離して持つ。それだけで、きもの全体が美しく撮られることになる。
もう一つ気にするべきは、袖の落とし方であろう。中の襦袢がはみ出ていないか。帯に引っかかってうしろに巻かれていないか。ささいなことのように思われるかもしれないが、「気にかけていなさい」とイッシーから強くお達しがあった。 あとは、きものにかぎった話ではないけれど、笑顔の作り方だろう。「チーズ」とか「1たす1は?」とか「キムチー」とか、笑顔を作るコツはいろいろあるが、私のオススメは、シャッターが下りるまでカメラを見ないこと。そっぽを向いて、カメラマンと呼吸を合わせ、 「1、 2の3!」 この「3」の瞬間にカメラに顔を戻してニコッ。ほら、自然な笑みになったでしょう! 顔が固まらないんです、この方法だと。 ただし、事前にカメラマンさんと打ち合わせておくことが大事です。勝手に動き回らないように、私みたいにね。
“映え”ショットの作り方
きものは身体の大半を包み込みポージングが限られるだけに、ちょっとした重心の置き所や手足の表情が、全体の印象を大きく左右します。『きものSalon』本誌の撮影でアレコレと注文をつけられるうちに、「この立ち姿のコツを皆さんに共有したい」と阿川さん。 きもの姿がぐっと“映え”るポイントを、着付けの石山さんに教わりながら構築しました。華やかなパーティシーズンを迎えた今月、素敵なきものショットを収めてください。