【2025年の周年企業 】北海道でのバター製造から始まった雪印は100周年、灘の櫻正宗400周年
2000年に発生した大阪工場製造の低脂肪乳などによる食中毒事件で雪印ブランドは失墜。組織体制や社名の変更を余儀なくされ、青いパッケージでおなじみだった牛乳は赤いパッケージとなった。そこから四半世紀をかけて信用を取り戻しつつある。企業が100年生き抜くというのは大変なこと。
帝国データバンクの集計によると、2025年に10年単位の「周年」を迎える企業は全国で15万5167社。このうち創業半世紀の「50周年」企業は2万1468社、「100周年」企業は1685社に上る。
雪印メグミルク(東京都新宿区)は、1925年5月「有限責任 北海道製酪販売組合」として創業。米国留学から帰国して間もない工場技師を中心に7月からバターの製造を開始。当時から商標として「雪印」を使っていたが、社名となったのは戦後のこと。2000年に発生した低脂肪乳などによる食中毒事件で信用は失墜したが、地道な信頼回復努力を続け、100周年を迎える。 他に、主な100周年企業はがん領域の医薬品で国内シェアNo.1を誇る中外製薬(東京都中央区)、野村グループの持ち株会社の野村ホールディングス(東京都中央区)など。
2025年の主な100周年企業
・中外製薬(東京都中央区)がん、インフルエンザ治療薬など医薬品製造 ・野村ホールディングス(東京都中央区)傘下には野村証券 ・雪印メグミルク(東京都新宿区)赤いパッケージの牛乳でおなじみ ・日本相撲協会(東京都墨田区)国技である相撲の普及継承活動 帝国データバンクの資料を基に作成
さらに長い歴史を刻んできた周年企業には、江戸初期の1625年創業で灘の酒に欠かすことのできない名水「宮水」を発見したことで知られる櫻正宗は創醸400周年。 アウトドア派におなじみの「mont-bell」ブランドを展開するモンベルは、辰野勇代表取締役会長が山仲間2人とともに、世界に通用する登山・アウトドアグッズの開発を目指して創業。青い看板が目印のコンビニローソンも今年で半世紀。 「匠大塚」は大塚家具創業者の大塚勝久氏が、長男の勝之氏とともに設立。あの、父娘騒動から早10年。
2025年の主な周年企業
400周年 / 櫻正宗(神戸市)灘五郷を代表する酒造 300周年 / 竹本油脂(愛知県蒲郡市)食用ごま油、土木建設用油材製造 200周年 / 三木楽器(大阪市)関西中心に楽器販売、音楽教室展開 50周年 / ローソン(東京都品川区)コンビニエンスストア マチのホットステーション 50周年 / モンベル(大阪市)アウトドアブランドmont-bell展開 10周年 / 匠大塚(埼玉県春日部市)家具・インテリア販売 10周年 / AbemaTV(東京都渋谷区)インターネットテレビ「ABEMA」運営 帝国データバンクの資料を基に作成