「ペーパーティーチャー」向けセミナー 長崎県教委がメタバースで開催 教員不足解消へ
長崎県教委は教員のなり手不足解消につなげようと、教員免許を持っているが教職経験がない人や、長期間教職を離れている「ペーパーティーチャー」などを対象にしたセミナーを14日、インターネット上の仮想空間「メタバース」上で開いた。セミナーは昨年度から始めたが、メタバース上で開くのは初めて。遠方からも参加でき、県教委によると東京や離島の在住者ら県内外計55人が参加。匿名性が保たれ、民間に就職している人らも加わった。 現地開催に比べ距離的な問題がなく、気軽に参加できるようにとメタバースを導入した。事前に参加者を募集して開いた。 メタバース上に▽教員免許相談ルーム▽福利厚生相談ルーム▽自由相談ルーム-など7種の部屋を用意。参加者は自宅などから画面上でトラやウサギなどの自分のアバター(分身)を操作して入室すると、県庁にいる県教委担当者や他の参加者とオンライン会議形式でやりとりができる。カメラのオンオフは選択可能な仕組み。相談ルームでは県教委担当者が個別に対応した。 参加者は全体説明ルームで免許の説明などを聞いた後、詳しく知りたいことに合わせて、それぞれの部屋に入った。「学校のお仕事説明ルーム」には、小学校や特別支援学校など校種別で聞ける部屋をそれぞれ用意。担当者が教員の一日の流れや仕事内容などを紹介した。自由相談の部屋では、民間企業に就職しているが教員に再チャレンジしたいという人が任用の方法を尋ねたり、免許を持たない人が、知識や経験を生かし教育と関わる方法を質問したりしたという。 県教委働きがい推進室は「参加者にも意見を聞き、次年度の方向性を考えたい」としている。