日本人キャストたちが大活躍! 今春公開のハリウッド映画が見逃せない
昨今、ハリウッドでの日本人俳優の活躍がめざましい。流ちょうな英語を操り、堂々とメインキャストに名を連ねる彼らを見ていると、もはや邦画・洋画という区別が意味をもたないと感じられる。この春も渡辺謙、真田広之、TAOの3人が活躍を見せる。 渡辺謙はガス・ヴァン・サント監督の新作に、真田広之はイアン・マッケラン主演のシャーロック・ホームズ作品に、TAOは『ウルヴァリン:SAMURAI』に続いてバットマンとスーパーマンが対決するエンターテイメント超大作に出演というから、どの作品も見逃せない。
『追憶の森』 進化し続ける「ケン・ワタナベ」という国際俳優の凄み
ハリウッドで活躍する日本人と聞いて、誰もが最初に思い浮かべる名前は渡辺謙ではないだろうか。トム・クルーズと共演した『ラスト サムライ』(2003)でアカデミー賞やゴールデン・グローブ賞など数々の輝かしい賞にノミネートされるという華々しいハリウッドデビューを飾り、クリストファー・ノーラン監督の『バットマン ビギンズ』(2005)、クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』(2006)、続いて『インセプション』(2010)など話題作に出演。またギャレス・エドワーズ監督の『GODZILLA ゴジラ』(2014)では、アーロン・テイラー=ジョンソンやエリザベス・オルセンらと共演を果たした。 渡辺がマシュー・マコノヒーと初共演するのが新作『追憶の森』。原題は『The Sea of Trees』、つまり樹海を舞台にした感動ミステリーなのだ。マコノヒー演じるアメリカ人、アーサーが罪悪感と喪失感を抱えて踏み入れた青木ヶ原の樹海。その中で出会った日本人、タクミ(渡辺謙)は怪我を負っており、アーサーはタクミを助けて一緒に出口を探して歩き始める。しかし磁石が狂い、携帯電話も通じない森の中で方向感覚を失った二人は出口を見つけることができず、やがて二人の間には不思議な絆が生まれて、というストーリー。 監督は『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』と『ミルク』でアカデミー賞監督賞にノミネートされた名匠ガス・ヴァン・サント。死に向かう旅はいつからか崇高な愛の物語へと姿を変え、スピリチュアルで詩的な味わいのある映画に仕上がった。近年、映画のみならずブロードウェイの舞台にも出演し、トニー賞主演男優賞ノミネートにも輝いた渡辺。カンヌ国際映画祭コンペティション部門でも正式上映された期待の新作でどのような演技を見せてくれるのか、いまから公開が待ち遠しい。