【奥菜恵さん】「尋常性白斑」の発症がきっかけで変わった人生観|VERY
子育て第2シーズンどうですか?
『VERY NaVY』の人気インタビュー連載「子育て第2シーズン」に奥菜恵さんが登場。昨年公表された尋常性白斑の診断を経て変わった人生の価値観まで、ゆっくりと誠実な言葉で語ってくれました。
尋常性白斑がきっかけでコスメブランドをスタート
3年前に、尋常性白斑を発症。診断されてからしばらくは「仕事ができなくなってしまうかもしれない」と動揺が続きました。そんなに症状はひどくありませんが進行性の病、俳優の仕事は“いつ辞めてもいい”覚悟で、ひとつひとつの作品に向き合っています。改めて時間には限りがあると実感した今は、「自分のやりたいことをどんどん形にしていく人生にしよう」という前向きな気持ち。 昨年誕生したコスメブランド「ni-Nin」のプロデュースに至ったのも、病気が背中を押してくれたから。もともと極度のアレルギー体質で肌が弱く、それが引き金となって尋常性白斑になったという可能性を指摘され、少しでも同じ悩みを持つ人の力になれたらという思いから挑戦することにしたんです。演じることは好きですが、素の状態で表に立つことが苦手な私。コツコツと作業する裏方的な仕事は、意外と向いている気がします。今まで関わることのなかった人たちとの出会いや、催事の企画など。新しい経験により自分の可能性や世界がどんどん広がっていく感じがして、ワクワクの毎日です。
親のシンプルな愛情が立ち返るための力になる
私は、娘たちと同じ年頃で芸能界入り。大人たちに囲まれて仕事をするなか、いつも“私にも意思がある”と感じていたのを覚えています。“子どもだから”と意見がないように物事が進んでいくことに、不安や不満を抱えながら仕事をしていました。その学びから子育てで大切にしているのは、人として尊重し合うコミュニケーション。まだまだ成長途中ではありますが、子どもだってちゃんと意思を持っている。迷っているときはこちらが考える答えに導くのではなく、親子の会話を重ねていくなかで自分の答えを見つけ、決めてもらうように心がけています。 私が仕事から帰ると大好きなおにぎりを作って待っていてくれた両親。その日常のさりげない優しさや心配りに支えられていたと、自分が親になり改めて感謝しています。娘たちが悩んだとき、つらいとき、立ち返ることのできる場所でありたい。一緒に暮らす日々のなか「大好き」というシンプルな愛情をたくさん注ぐことで、その道標は作られていくのかなと思っています。