ボーイング新経営陣、航空各社の信頼回復が急務に-CEOら交代で
ボーイングは既に主要サプライヤーであるスピリット・エアロシステムズ・ホールディングスの買収で同社と交渉を行っている。アラスカ航空での事故前には考えられなかった動きだ。また、カルフーンCEOが25日のCNBCとのインタビューで言及した20年ぶりとなる新鋭機の計画を練り上げることも新経営陣は求められる。
この結果、年末で退社するカルフーンCEOの後任探しを主導する米半導体大手クアルコムの前CEO、スティーブン・モレンコフ氏が、ラリー・ケルナー取締役会会長の後任としてボーイングの将来について大きな発言力を持つことになる。
かねてカルフーンCEOに批判的だったアブラフィア氏は「多くの機会がある」とし、「1日のうちに3人の主要な人物の交代が打ち出された。人員面で多くの潜在力があり、あと必要とされるのは業界を熟知した真のリーダーシップだけだ」とコメントした。
事情に詳しい関係者1人によれば、カルフーンCEOの後任候補として考えられるのは、民間航空機部門を率いてきたスタン・ディール氏の後任に就任したステファニー・ポープ最高執行責任者(COO)。
このほか、ゼネラル・エレクトリック(GE)のラリー・カルプCEO、ボーイング取締役の1人で空調機器メーカー、キャリア・グローバルのデービット・ギトリンCEO、スピリット・エアロシステムズのパトリック・シャナハンCEO、ボーイングで最高財務責任者(CFO)務めた経歴を持つアメリカン航空のグレッグ・スミス会長も検討の対象となる可能性がある。
ギトリン、シャナハン、スミスの各氏の担当者にコメントを要請したが返答はなかった。カルプ氏に2月のインタビューでボーイングCEOの役割について質問した際、同氏は「ボーイングにとって最も重要なパートナー・サプライヤーとしての役割を果たしたい」と語っていた。GEは25日の時点で新たなコメントはないとした。
原題:Boeing’s Next CEO Must Win Over Airlines That Soured on Calhoun(抜粋)