マウンティングは「させてあげる」のが上級者? “マウンティング研究家”が語る“マウントフルネス”な生き方とは?
何気ない会話やSNSで「もしかして自慢されてる?」と気になってしまう「マウンティング」。日々マウンティングの事例を集め分析する研究家に「上手な付き合い方」を聞いた。 【映像】“仕方なく東大マウント”とは? 「申し訳ありません。その日はあいにくのニューヨーク出張でして同窓会に参加することができません」 飲み会に参加できない理由を「ニューヨーク出張」と言い、グローバルな活躍ぶりを見せつける“ニューヨークマウント”。 「もともと音大志望でしたが、親に言われて仕方なく東大を受験することにしたんです」 東大に合格する能力だけでなく、芸術の分野においても優れた才能があることをアピールする“仕方なく東大マウント”。 「マウントをとる」「マウンティング」はもともと相手に対して自分が優位な立場であることを誇示する動物の行為のことだが、人のコミュニケーションでも頻繁に言われるようになった。 これをさまざまなパターンに分類・分析し、情報発信をしているのが、マウンティング研究家のマウンティングポリスさんだ。 人がマウンティングをしてしまう理由についてマウンティングポリスさんは「人間という存在自体がマウンティングする生き物だ。おそらく本能的に埋め込まれていて、はるか昔から例えば『猪を狩ってきたやつが偉い』などとマウントをとっていたはず」と話す。 では、現代人にとってマウントとは何なのか? 「人間は嫌われてしまうとコミュニティから排除されるリスクがある。そのため、現代のマウンティングは『嫌われたくないが、自分の立ち位置や自分の価値を示したい』という思惑や事情が複雑に絡まったものだ」 とはいえ、マウンティングは自慢や嫌味と紙一重。「コツ」はあるのだろうか? マウンティングポリスさんは「『ニューヨーク出張の時差ボケで吐きそうで困ってる』などと自虐やマイナスの要素を織り交ぜることによってカモフラージュする『ステルスマウント』という方法などがある」と分析。 さらに「コミュニケーションが上手な方は『マウントする』ではなく『マウントさせてあげる』ことを意識している。例えば『Aさんの言葉を聞いて、なるほどなと思ったのは…』や『Aさんくらい優秀な方だったら言わなくても分かると思うんですけど…』などの“前置き”をしてから話し始めることも有効だ」とテクニックを紹介。 相手を尊敬したり、共感したりする前置きから会話を始めることで、相手がマウントをとりやすくなり、自分に好意的な印象を抱くのだという。 そして、マウンティング欲求は企業のビジネスチャンスにもつながるという。 「Apple製品を持つことによってマウントを取れたり、テスラの電気自動車を所有することで『環境に優しく先進的な自分』を得られたりする。イノベーションを生むカギはテクノロジーではなく『マウンティング体験をいかに提供するか』にあるのでは。今後マウンティングが日本経済を救うかもしれない」と独自の見方を示した。 「マウンティングはすべての社会人が身につけざるを得ない重要なスキルであり、教養だ」と話すマウンティングポリスさんが思う「マウンティングで幸せになれる方法」とは? 「誰からもマウンティングされないような“自分だけの立ち位置”を見つけるといい。例えば、ひろゆきさんは『2ちゃんねる創設者』という実績がありつつ、『論破力』と『パリ在住』を併せ持つため唯一無二の存在になってる。パリから論破しているから、ひろゆきさん、という…論破力×パリ在住という掛け合わせなのだ」 マウンティングポリスさんにとって、マウンティングとはどんな存在なのだろうか? 「マウンティングで今後、研究者としてリアルに大学院で博士課程とか取るようなプランもないわけではない。自分の『好き』を突き詰めることで誰もが“マウントフル”な存在になれる。僕自身もマウントで人々をハッピーにすることを目指していきたい」