金利上昇かなり緩やか、金融システムへの影響も同様-内田日銀副総裁
(ブルームバーグ): 日本銀行の内田真一副総裁は14日、コロナ禍後の日本の金利上昇は欧米よりもかなり緩やかで、金融システムへの影響も同様だとの見解を示した。国際預金保険協会(IADI)年次コンファレンスで、「コロナ禍とその後における金融システムの課題と展望」と題して講演した。
内田氏は10月の金融システムリポートを引用し、コロナ禍後の金利上昇が固定金利貸し出しや満期の長い有価証券保有が多い銀行を中心に一部の銀行の利ざやを一時的に下押しする可能性もあるとしつつ、「長い目で見れば、銀行収益の改善に寄与する」と説明。その上で、「既往の日本の金利上昇は、欧米に比べるとかなり緩やかであり、銀行ビジネスや金融システムに与える影響も同様だ」と語った。
一方、ノンバンクの行動が金融資本市場に影響を与えるケースが増えていることを踏まえ、その存在感の高まりにも留意が必要だと指摘。金融当局はノンバンクに関する情報が少ないとし、銀行セクターとの関連が深まる中で「ノンバンクに問題が発生した時には、金融市場を介し、金融システム全体に影響が及ぶ可能性がある」と警鐘を鳴らした。
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Sumio Ito