【田原総一朗氏&古市憲寿氏が占う石破政権の行方】自民党を変えると言っていたのに何もできない石破首相の評価 「総理になったら“ああしたいこうしたい”がなくなった。失脚したくないから」
誰も参院選で石破が勝てるとは思っていない
古市:参院選もこのままでは勝てないでしょう。 田原:あなたがそう言うように誰も参院選で石破が勝てるとは思っていないから、石破さんを含めて勝ったらどうするか何も考えていない。日本の政治は思考停止している。 古市:国民民主党や日本維新の会には何か考えがあるんじゃないですか。 田原:ない。何か月か前になるが、自民党の支持率がドンと落ちた時に僕は立憲民主党の泉健太、維新の馬場伸幸に会って「立憲と維新と国民民主が協議したら、完全に政権取れる、やれよ」と言ったんです。泉は「やりたい」。しかし、馬場は「立憲なんかと組みたくない」と。維新から見ると立憲は左翼なんだよね。だから立憲より自民と組むほうがよっぽどいい。 古市:だけど国民民主が台頭してきたことで野党のバランスが変わった。 田原:自民党は少数政権だから予算通すためには国民民主と組むしかない。だけど国民民主からすれば自民と組んだままじゃ参院選を戦えないから、参院選が近づくと自民党から離れるだろう。そうなった時政権は危うい。 (後編に続く) 【プロフィール】 田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、1977年、フリージャーナリストに。『日本の政治 田中角栄・角栄以後』、『さらば総理 歴代宰相通信簿』など著書多数。 古市憲寿(ふるいち・のりとし)/1985年、東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員、日本大学藝術学部客員教授。著書に『絶望の国の幸福な若者たち』『保育園義務教育化』など、小説に『平成くん、さようなら』『ヒノマル』など。新著は『昭和100年』。 ※週刊ポスト2025年1月17・24日号
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