立憲代表選、野田佳彦元首相「12年ぶり復権」で政権交代に必要なもの 11月にも予想される総選挙の行方は?
■「政権交代の好機」と腰を上げた野田氏 野田氏は1957年生まれ。早稲田大学を卒業後、松下政経塾で学び、千葉県議を経て1993年に日本新党から衆院初当選。1996年の衆院選では新進党で立候補したが落選した。2000年に民主党で議席を取り戻して以来、連続当選。2009年に誕生した民主党政権下で財務副大臣、財務相を経て首相に就いた。 2012年、当時の野党・自民党の谷垣禎一総裁、公明党の山口那津男代表と消費税を5%から10%に引き上げて社会保障の財源とする「3党合意」をまとめ上げた。
だが、民主党内では小沢一郎元代表のグループが反対。自民党は総裁が安倍晋三元首相に交代し、野田政権との対決姿勢を強めた。野田氏は衆院の解散・総選挙に追い込まれ、民主党は惨敗。自民党が圧勝して第2次安倍政権が発足した。民主党はその後、混迷を続け、民進党、希望の党などを経て、立憲民主党としてようやく自民党に対抗できる態勢を整えた。 2023年秋には自民党の裏金事件が発覚。自民党による真相解明は進まず、安倍派を中心とした関係議員は「秘書に任せていた」などと繰り返し、責任を回避した。
再発防止策としての政治資金規正法改正も不十分で、岸田文雄首相(自民党総裁)に対する世論の批判は強まった。事態を打開できない岸田首相は自民党総裁選への出馬を断念、退陣に追い込まれた。 逆風にさらされた自民党を尻目に「政権交代の好機」と見て腰を上げたのが野田氏だった。 野田氏の日課は早朝の駅立ちから始まる。最新の問題についてコメントを記したチラシを配る。 有権者に接している野田氏の言葉には力がある。銃撃で死去した安倍元首相に対する追悼演説は、与野党の議員をうならせた。一方で、ユーモアも忘れない。小泉進次郎元環境相が4代目の政治家であることに触れて「ルパンだって3世まで」と自民党の世襲議員をチクリと批判する。