「Bコープ」取得の豪バッグブランド「ステート オブ エスケープ」が10周年 自由な旅とウエルネスのために
「Bコープ」取得で責任あるビジネスモデルに進化
今年2月には環境や社会に配慮した公益性の高い企業であることを示す国際認証「Bコーポレーション(以下、Bコープ)認証」を取得した。「私たちは創業当初から受注生産性体制で、責任ある事業運営を心掛けていた。それでも『Bコープ認証』というお墨付きを得ることで、取引先に私たちが何者なのか、どんな考えを持っているかより分かりやすい形で伝えられると思った。消費者もいま、何を買うのか、なぜ買うのかにとても意識的になっている。『Bコープ認証』は消費者にとっても良い判断材料にもなるはずだ」とメイドメント。
素材軸では、昨年から台湾のメーカーが製造するカキの貝殻が原料のネオプレン素材や使用済みのペットボトルからなるリサイクルポリエステルの使用を開始した。ストラップに使用しているセーリングロープをアップサイクルしたミニバッグ“アドリフト“シリーズなども発表。「どうやったら素材を無駄なくアップサイクルできるかは今後も考え続けたい」とマガウアン。
社会や環境などさまざまな項目がある「Bコープ認証」の指標のなかでも、「ステート オブ エスケープ」特に「コミュニティー」のカテゴリーの評価が高い。創業当初からオーストラリアの国内生産にこだわってきたことが評価された。2人は国内のモノ作りの現場が次世代に残っていかないことに課題感を感じていたのだという。「当時製造業が強くないオーストラリアで生産パートナーを見つけるのに非常に苦労したが、無駄に生産せず最低発注数量で作れること、目の届く範囲で品質の高いモノ作りするためにもゆずれない部分だった。結果として今、独自のコミュニティーを築けたことを誇りに思う」と振り返る。
今後の目標は、「次の10年も変わらないことだ」という。「やみくもに商品バリエーションを拡大したりはしない。どんな商品も旅とウエルネスのために届けるというパーパスに沿って生み出し、多彩なカラーで多くのお客さまを楽しませたい」と語る。日本では「日本人アーティストなどとのコラボレーションに挑戦し、日本の顧客との関係値も強めていきたい」という。