前日の記憶も抜け落ちるように…日を追う事にひどくなる夫の認知症に、妻がただただ願うことは【漫画】
見た目は変わらないのに、どんどん記憶が薄れ、“自分が知らない”夫になってしまったら…? 時間や場所の感覚がなくなり、家族の顔でさえわからなくなる病「若年性認知症」を真っ向から取り上げ、SNSでも話題のコミックエッセイ『夫がわたしを忘れる日まで』(吉田 いらこ 著)から一部を公開します。 【前話を読む】“治らない” “どんどん忘れる”…小学生の息子に夫の「若年性認知症」の真実をどこまで伝えるべき?
【前話のあらすじ】
初めて自分の父・翔太が声を荒げる様子を見た陽翔は怯え、自分が小学校で起こしたトラブルが原因か、彩に問いかける。 陽翔のせいではない、と彩はついに翔太の病気について話すことを決意。
若年性認知症という病気であること、その病気の影響で「いろんなことを覚えておくのが難しくなる」こと、ドラッグストアでのことも病気が原因であることを伝えるがーー。
「病気が治ったら元のお父さんに戻るよね?」と陽翔に聞かれた彩は、「病気はきっと良くなる!」と伝えることしかできなかった。
そして、彩は少しずつ変わっていく翔太に恐怖を覚えるようになり……。
よし
おはよう おはよう 翔太 冷蔵庫に貼ってる予定表 見てね
はーい
ごちそうさまでした オレもそろそろ行かなきゃ
あのさ 昨日のことだけど‥
本当にごめんね え? 私は 翔太が言ったようなこと思ってないから
確かに病気のせいでできないことも増えたけどさ でもそれはしょうがないよ
病気になっても翔太が翔太であることには変わりないんだしさ だから迷惑なんて思ってないし 全然気にしなくていいから
ね! ‥‥
ごめん なんだっけ
オレ昨日何か言った?
‥ううん 気のせいだったかも そっか それならよかった じゃ 行ってくるね
いってらっしゃい
さらに症状が進むと 時間 場所
そして人を認識できなくなります こうやって少しずつ 忘れていくのかな
つらかったことだけじゃなくて 楽しかったことも‥
私が 翔太の中から消えるのはいつだろう
あ あれ?
嫌だ 忘れないで
ずっと一緒にいるって約束した それも忘れちゃうのかな