高畑充希「岡田将生さんと私で、監督の言葉を真逆に捉えていた」。正反対なふたりの化学反応
婚外恋愛、風俗…「一線」を越えでも夫婦は成立する?
── ドラマでは、セックスレス中のふたりは一子の提案により、「婚外恋愛許可制」を選択しました。そうして二也は西野七瀬さん演じる美月との恋愛を楽しむわけですが、一子は割り切れるはずもなく……。やがて逡巡の末、一子は友人たちから聞いた女性向け風俗を利用します。これもかなり挑戦的なシーンですよね。 高畑:「女性向け風俗で若い男の子を買う」と文字にすると、センセーショナルですよね。ただドラマでは、そこに至るまでの一子の葛藤や気持ちの変化が丁寧に描かれているので、きっと彼女の切実さが伝わると思います。 私自身も、「女性向け風俗」という存在は以前から聞いたことがありました。いろんな方と話をする中で、世の中にはいろんな夫婦やカップルの形があるし、そういったサービスを利用することは個人的には否定的には捉えてはいませんでした。ふたりが納得の末、そういった場所に体を預けるのも、ひとつの選択肢ですし。 一方で、「その一線を越えたら夫婦関係って成立するの?」と思うのもまた本音で……。 ── ちなみに高畑さんは、外で性欲を解消する風俗と恋人をつくる婚外恋愛、自分の配偶者がするとしたら、どちらが“マシ”だと思いますか? 高畑:う~ん、難しいですね(笑)。男性からすると、女性に風俗に行かれるって生理的に嫌がる人もいると思うんですよ。ただ自分は、外で「ガチ恋」されて、気持ちを持っていかれるほうがもっと傷つくのかなとは思います。
夫婦でもわかり合えないことがある?「性の部分は個人的なもの」
── 女性向け風俗を利用した一子も、婚外恋愛をしている二也もいわば「お互い様」なわけですが、一子としては自分が風俗を利用したことを、二也には知られたくない。そんな心境を友人に語った際、一子が放つ「家族だろうが恋人だろうが、性の部分はそれぞれ個人的なもの」というセリフがとても印象的でした。 高畑:一子がいうように、たとえ夫婦とはいえ、お互いの性について100%は理解できないんじゃないでしょうか。性欲もそれぞれだし、自分は「うまくいってる」と思っていても、相手は満足していないかもしれないし。自分の肉体じゃないから、ときに理解が及ばないこともあると思います。 そして「相手を100%理解することはできない」って性に限らず、すべてにおいていえることかも。 私も若い頃は「好きな人のことは全部知りたい!」と思っていたこともありました。でも、すべてを知ろうとしたら、うまくいかなくなることもあるし、年齢を重ねた今では「相手のすべてを知ることなんて、できないし、しなくていいよね」という考えに徐々に変化していったように思います。 とはいえ、「自分が知らない相手のミステリアスな部分に惹かれる」ことと、「夫婦としてわかり合える」ことって、なんだか真逆のようにも思える。世のご夫婦たちは、どうやってバランスを取っているんですかね? 難しいな~男女って、そして夫婦って(笑)。 ◇続く後編「高畑充希が『配偶者だけが自分が選べる家族』という言葉に感じること」では、夫婦であることと家族であることの幸せと難しさ、さらには一子と二也が下した衝撃の決断について、率直の思いを語っていただきました。
アケミン(ライター)