高畑充希「岡田将生さんと私で、監督の言葉を真逆に捉えていた」。正反対なふたりの化学反応
監督の言葉を真逆に受け取っていた、正反対なふたり
── 二也(おとや)役の岡田将生さんとは初共演ですね。 高畑:私の中で二也って、どこか掴みどころのない印象だったんです。でも岡田さんは、“シュッと”されていて、とても存在感のある俳優さん。なので、どんな化学反応が起こるか想像がつかなかったです。 けれど、読み合わせ(俳優たちがそれぞれの役の台本を読む稽古のこと)の時に、すでに目の前に「おとやん」がいました。「岡田さんと二也は、精神性が似通っているのかもしれない」と後から気づかされましたね。 ── 今泉監督とは深夜ドラマ「東京センチメンタル」(2014年)以来となりますが、現場での印象はいかがでしたか？ 高畑:二也と一子のふたりが話し合うシーンが何度かあるんですが、ひとりが感情的になると、どうしてももうひとりが悪役に見えてしまうんですよね。そのバランスを今泉監督が絶妙に取ってくださいました。 今泉監督も岡田さんも、とても思慮深くて理性的な方たち。ふたりに比べたら、私ってちゃんと考えて生きてないんだなと思いました(笑)。 ── そんなことはないと思いますが(笑)、それを実感したエピソードはあったりしますか？ 高畑:おもしろかったのが、監督の言葉に対して、岡田さんと私で捉え方がまるで逆だったこと。あるシーンの撮影の時、監督が「良すぎて、もう一回撮るがどうか迷ってます」とおっしゃったんです。私は、他にも可能性があるかもしれないけど、とりあえず一旦は良かったんだなと受け取ったんですが、岡田さんは「ダメだったのかと思った」って。物事を慎重に捉えながら進むところが、監督と岡田さんは似ているように思います。 ただ、全員で考え込んでしまうと進まなくなるので、私は「みんな～楽しくやろう！」という軽いテンションで現場にいました。そういう意味では、とてもよいバランスの座組だったと思います。
成田凌さんの配役に思わず笑いが
── 一子は学生時代のサークル仲間で、不倫経験がある成田凌さん演じる五代にも夫婦関係について相談しますよね。 高畑:去年、成田君とは舞台「宝飾時計」でご一緒していたのですが、五代のちょっとだらしないけど色気のある役柄も、ピッタリすぎますよね。あの絶妙な「軽さ」というか……あ、悪口じゃないですよ(笑)。今回の配役を聞いたとき、思わず笑ってしまいました。
