エサが増え活発に…クマの目撃相次ぎ人が襲われる被害も 専門家「大声や複数での行動が遭遇リスク下げる」
岐阜県下呂市で6月11日夜、畑にいた80代の女性がクマに襲われ、重傷を負いました。クマによる被害は全国で相次いでいますが、出合わないためのポイントなどについて専門家に聞きました。 【動画で見る】エサが増え活発に…クマの目撃相次ぎ人が襲われる被害も 専門家「大声や複数での行動が遭遇リスク下げる」 岐阜県下呂市小坂町で11日午後7時半ごろ、畑にいた80代の女性がクマに襲われました。女性は顔などをひっかかれて重傷ですが、命に別条はないということです。
地元の人: 「怖いですね。最近はクマを見たという話は結構あるんですけど、襲われたというのはなかなかなくてびっくりしました」 女性が襲われたのは、湯屋温泉の旅館の裏にある畑です。消防によりますと、襲ったのは子グマとみられています。 下呂市は12日午前、地元の猟友会とともに、被害があった畑の周辺に捕獲用の檻を設置しました。
下呂市猟友会小坂支部の奥村憲二さん: 「あそこに見える屋根の右側の手前になります。子グマが襲ってくるとは思えないです。子グマがいて、親が襲うということはあるかもしれませんけども」 下呂市では、2024年に入り10件のクマの目撃情報が寄せられています。三重県尾鷲市でも11日午前、子グマのような動物を見かけたと通報があり、市の職員がパトロールを続けています。
クマの目撃情報が相次いでいる理由について、専門家は「エサが増えて活動が活発になる季節」と指摘します。 岐阜大学の浅野玄准教授: 「4月ぐらいに冬眠から明けて、エサを求めて活動を開始します。この時季は山菜ですとか山の実りも春から夏にかけてよくなっていきますので、クマがエサのある所に行動を広げていく」
身を守るために気を付けるポイントについては、「時間帯に気をつけること」だといいます。 浅野玄准教授: 「早朝と夕方や日没後、クマの行動と人間の行動がバッティングする時間で危険性が高いので、この時間帯は危険だという認識をもっていただくということ」 今回の被害を受け、近くの小学校では、多くの児童が利用しているスクールバスでの通学をやめて、当面の間、学校から自宅まで教師や保護者が付き添う対応をとることにしています。
浅野玄准教授: 「一番有効な方法は、これまで通りクマに出合わないようにするということが最善の方法です。その方法としては鈴だとか、もしなければ大声で、あるいは複数で行動する。そういったことがクマと遭遇するリスクを下げることに有効であることは変わらないと思います」