スルガ銀行、不正融資問題の“被害者”に「デモ差し止め」求め提訴…被告らが“抗議の会見”「訴訟自体が極めて不当」
弁護団「訴訟自体が極めて不当」
この日、会見に出席した被害者弁護団の河合弘之弁護士は、本件におけるスルガ銀行側の「対応の不備」を指摘したうえで、訴訟自体が「極めて不当な行為である」と主張した。 「今回、スルガ銀行側は、被害者側による抗議活動のなかで、業務妨害や名誉毀損が行われていると主張し、デモの差し止めと損害賠償を請求しています。 ですが、同行側の訴状はいい加減なもので、裁判所から『誰が被害者で、誰の権利をどう侵害して、どのような損害が生じたのかよくわからないのでちゃんと整理しろ』という趣旨の指摘が行われました。 今日の期日では本来、本件が『不正融資の被害者側をけん制するために、スルガ銀行が起こしたスラップ訴訟である』という背景事情を説明するために、第1準備書面の陳述を行う予定でしたが、訴状がむちゃくちゃであることから、争点整理を行う必要があり、延期となっています。 先ほども述べた通り、われわれは本件訴訟について、被害者を萎縮させ、抗議を封じ込めることを目的としたものであると考えています。 被害者らによる、デモや株主総会での抗議活動は、憲法で保障されている表現の自由の行使であり、やむにやまれぬものです。 裁判所には、こうした事実関係の全体像を把握した上で、適切な判断をしていただければと思います」(河合弁護士)
「何を言いたいのかわからない、とばっちり裁判」
被告の1人で、「かぼちゃの馬車」事件の被害者でもある、消費者トラブルの被害者支援を行う一般社団法人ReBORNsの冨谷皐介(とみたに こうすけ)代表も次のように話した。 「河合弁護士の話にあった通り、スルガ銀行側の主張は、誰のどういう行為が不法行為なのかが不明瞭で、『何を言いたいのかわからない』という状態です。 訴状では、被害者団体のデモや抗議活動において、不法行為があったとしているのですが、団体自体は訴えられておらず、被告になった私や、被害者団体の代表が団体の活動を指導・指示していると記載しています。 確かに、デモには参加していますが、ファクトに基づき、表現の自由の範囲内で訴えていたわけで、誹謗中傷に当たるようなことはやっていません。 不法侵入もあったのかもしれませんが、真実はよくわかっておらず、少なくとも今回訴えられたわれわれが入ったわけではありません。 ですので、本来訴える対象にはならない人を訴えた、『とばっちり裁判』ではないかと思います」(冨谷代表)