「Z世代はすぐに転職する」真偽をZ世代に聞く 転職への関心と会社への忠誠心は共存しうる
舟津:すごくわかります。今って、「日本経済は落ち目だけど、あなただけは助かりましょう」みたいな利己的な生き方が強調されることがあります。でも、なりふり構わず自分だけは生き残ろうっていうのは実は商材の宣伝文句でしかなくて、他者への貢献意識なくてはやっぱり生きていけないと思うんですよね。 今回の座談会で何か1つ結論めいたものを導くとしたら、みなさんには自分とか個っていうのが間違いなくありますけど、他の要因と複雑に絡み合っているというか、バランスがとれている。前回のSNSにしても、まったく知らないわけでもなければ依存しているわけでもなくて、自分の中でコントロールできている。そのうえで自分があるっていうのが大事なことですね。
■Z世代として社会に求めることはあるか 舟津:最後に、無茶ぶり的な質問になっちゃうんですけど、Z世代の立場として、あるいは個人の立場としてもいいので、社会に求めるものがあったら教えてもらえますか。「今の日本社会、最高だと思います」みたいなものでもいいので。何か言えることがあれば。 原田:私から社会に対して求めることがあるとしたら、自戒の意味も込めて、自分を省みる人がもっと増えたらなと思います。共産主義とか学生運動で言われる自己批判というわけではないんですけど、「多様性の時代だから、変わらなくていんだよ」とか「そんなうるさいことは言うな。俺は俺なんだ」っていう個人主義も行き過ぎているように思うところもあるので。それでいて、SNSの炎上みたいに、他人ばかり批判している側面もあって、自分を省みる思想がもっと日の目を見てもいんじゃないかなって思いますね。
舟津:ええこと言いますね(笑)。意訳ですけど、自分に甘くて他人に厳しい人が多いと。私もコメントやレビューで批判されることがあるんですけど、その批判がある程度正しいとしても、あなたはどうなんですかってどうしても思うときはありますね。中村さんはいかがですか。 ■過剰一般化に陥らないために 中村:僕は、俯瞰すること、別視点の可能性を想像することが社会にもっと必要なのかなと思いますね。例えば、「Z世代ってこうだよね」っていう見方もやっぱり危険で、自分がZ世代だったらどうなのかとか、他のZ世代はどうなのかって、結論を出す前に一呼吸置くだけでも出てくる答えが違うのかなって思って。