絶対面白い秋ドラマ“深夜枠”ベスト3。死神の“初恋”も必見だけど、圧倒的な“期待度No.1”は
『ストロベリーナイト』誉田哲也氏の長編小説が原作
注目なのは『ストロベリーナイト』シリーズをはじめとする警察小説から、青春小説『武士道シックスティーン』まで、多彩なジャンルで緻密で骨太な作品を生み出してきた作家・誉田哲也氏の長編小説が原作であることです。その多くがメディア化に成功。本作でも1億総メディア社会を生きる現代人の欲求をあぶり出す、本格的な社会派の作品になることでしょう。 10月7日には第1話が放送されましたが、ただ著名人のスキャンダルを追うのではなく、利権やかけひきにより二転三転。スピード感のある展開に惹きこまれました。一方で、編集長(岡部たかし)が終盤で語った「なぜ週刊誌はゴシップを追うのか?」の答えにハッとさせられる場面も。実はあるトラウマを抱えているという栗山の過去や、「Qrosの女」の謎はまだまだ見えていませんので、第2話からでも充分に追いつけます!
無能の鷹
そして深夜帯のなかで、筆者がもっとも楽しみにしているのは菜々緒主演の『無能の鷹』(10月11日スタート/金曜よる11時15分~/テレビ朝日系)。 女性コミック誌「Kiss」(講談社)で連載中の、はんざき朝未氏による大人気コミックスの実写ドラマ化です。主人公の鷹野ツメ子(菜々緒)は、見た目には有能なオーラを纏ったスーパーウーマンなのに、実は衝撃的なレベルで“無能”。社内ニートとなっているダメダメな主人公が、切磋琢磨して成長していくストーリー……というわけでもありません。 この面白い設定にはもちろん期待できますが、何といっても見どころは原作にフィットするキャストたち。
肩の力を抜くどころか“膝カックン”なドラマに?
“無能”ながらも清々しく生きる鷹野役は、見るからに“できる女”感が強い菜々緒にぴったり! 原作ファンも納得のキャスティングでしょう。鷹野の同期で相棒となる鶸田(ひわだ)を演じるのは、NHK大河ドラマ『光る君へ』の一条天皇役でも注目を集めている塩野瑛久。努力家で有能なのに見た目は無能そうな残念サラリーマン役で、新たな魅力を見せてくれそうです。 鷹野・鶸田をとりまく会社の上司や先輩には、井浦新に工藤阿須加、さとうほなみ、安藤玉恵、高橋克実と個性的な実力派がずらり。朝ドラ『虎に翼』で大人気となった、よねさんこと土居志央梨も出演します。 彼らが紡ぐ物語は、従来のお仕事ドラマとは一線を画す、肩の力を抜くどころか“膝カックン”してしまうような新感覚のお仕事コメディ。豪華キャストたちがどんな掛け合いを見せてくれるのかワクワクします! 1週間を頑張った金曜日の夜に観るのにぴったりの、脱力系ドラマとなりそうです。 ======== 深夜帯のドラマは、奇抜な設定や不倫を題材にしたタブー系のものが多い印象ですが、ジャンルが多岐に渡るからこそ自分好みの作品にも出合えるはず! みなさんの視聴の参考になれば、何よりです。 <文/鈴木まこと(tricle.ltd)> 【鈴木まこと】 tricle.ltd所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201
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