「もうダメだ…」の前に「なんとかなる」と思える力の育て方
ブラックな職場、きつい仕事、苦手な上司、手のかかる後輩に、「もうダメだ…」という気持ちが込み上げてくることもあります。 そこへ「不安も焦る気持ちもイライラも、なんとかなる」とやさしく説くのが、ストレスマネジメント専門家で公認心理師の舟木彩乃さん。 舟木さんの著書『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、ストレスフルな状況でも気持ちがすーっと軽くなるヒントを紹介します。 「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる 1,485 Amazonで見る 1,650 楽天で見る
悩める人の共通点は「なんとかなる」と思う力が弱いこと
本のタイトルにもある「首尾一貫感覚」とは、ストレス対処力のこと。SOC(sense of coherence)とも呼ばれ、舟木さんは「ストレスが高い状態にあっても、それにうまく対処して、心の健やかさを保てる力」と説明しています。 この首尾一貫感覚は、以下の3つの感覚から成っているとのこと。 1)把握可能感(だいたいわかった) 自分が置かれている状況や今後の展開を把握できている、あるいは、ある程度予測できると思うこと。 2)処理可能感(なんとかなる) 自分にふりかかるストレスや障害にも対処できると思うこと。 3)有意味感(どんなことにも意味がある) 自分の人生や自分自身に起こることにはすべて意味があると思うこと。 (『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』9~10ページ一部抜粋) この3つのうち、舟木さんがカウンセリングなどを通じて、悩める人にもっとも足りていないのは、2番目の「なんとかなる」と思える力。 そのため、本書は首尾一貫感覚のなかでも「なんとかなると思える力」を中心に紹介しています。
今日から試したい「処理可能感」の育て方
なんとかなると思える力、つまり「処理可能感」が低い人の共通点は、「うまくいかなかったことにフォーカスしがち」だということ。 ここでは、「うまくいった体験、できた部分、なんとかなった出来事」のほうに注目するにはどうしたらよいか、そのコツを2つ紹介します。 1. 人の力を借りて成功体験を積む 「なんとかなる」と思える力を強くするには、成功体験が必要になります。 「なんとかなる」と思える力の弱い人は、「誰かに頼る」「誰かに助けてもらう」ことが下手な人も少なくありません。人の手を借りてでも「なんとかなった」という成功体験を積めば、「なんとかなる」という感覚をもちやすくなるのです。 (『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』121ページ) 誰かに相談するのが苦手なら、大きな悩みを打ち明ける前に、まずささいなことから人に相談してみるのがコツ。 そこから解決の糸口が見える場合もありますし、いい人間関係が構築されるかもしれません。「誰かに相談できた」ということも成功体験につながっていくのだそうです。 相談のハードルが高ければ「報告」するのも良さそうですね。「よかったね」「すごいね」と共感や称賛をもらえたら、それも成功体験になります。 2. うまくいったことを日記に書く 小さな成功体験の可視化も、「なんとかなる」と思える力の種になるのだとか。 ・職場にきた新しい人とはじめて話せた ・卵焼きがいつもよりうまく焼けた ・パソコンの不調を、詳しい人に聞いて解決できた (『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』132ページ) 「こんなことでいいの?」というぐらい日常的で小さなことでも、挙げていくと意外と見つかります。 ポイントは、就寝前に行なうこと。舟木さんによれば、就寝前にうまくいった気分を思い出すと、質の良い睡眠につながるというメリットもあるのだそうです。まずは1週間続けることを本書ではすすめています。 モヤモヤを感じたら、まずは誰かに相談もしくは報告を。そして寝る前にうまくいったことをメモ。 それだけで処理可能感が育まれ、首尾一貫感覚も養われていくなら、とても手軽で簡単と言えるのではないでしょうか。ぜひ意識して試してみてください。 「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる 1,485 Amazonで見る 1,650 楽天で見る >>Kindle unlimited、99円で2カ月読み放題キャンペーン中! Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン
ライフハッカー・ジャパン編集部