最大のビッグイベント・米大統領選挙を通過した米国市場、期待される“年末の株高”に向けて注意すべき3つのポイント
【3】選挙翌年のアノマリーに要注意
ジェフリー・A・ハーシュ著の「アノマリー投資」では、1833年から2011年までの大統領選挙をもとにした4年周期の大統領選挙アノマリーが説かれています。 このアノマリーによれば、4年間の中で最もパフォーマンスが低下しやすいのは「選挙翌年」とされています。選挙前は、大統領候補が当選を目指して景気を刺激する施策を講じることが多い一方で、痛みを伴う改革や厳しい政策は、次期選挙まで最も時間のある選挙翌年に行われることが多いためです。 現在は、新たな政策への期待から米国株の上昇トレンドが強まっています。また年間の季節性から見ても、11月は米株式市場の長い歴史において、最もパフォーマンスが良い月として知られています。 しかし、先行した期待やアノマリーだけで株価が右肩上がりで上がり続けるわけではありません。12月になれば、利益確定や節税目的の売却やポートフォリオの見直しなどの影響も出てくるでしょう。 今回紹介した指標やアノマリーだけでなく、企業業績や経済指標、さらには金融政策の動向にも引き続き考慮する必要があります。これから株高局面を生かすためには、より高い精度のリスク管理が求められる局面に入ってきているのかもしれません。 【プロフィール】 森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。
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