梱包用段ボール箱が〝カプセルトイ〟に 地元産品の魅力発信 長野県松本市の中学生
5種類1000個を完成
JA全農長野の作物梱包(こんぽう)段ボール箱が、カプセルトイに――。長野県松本市山形村朝日村中学校組合立鉢盛中学校の生徒が企業やJA松本ハイランド山形支所の協力を得て、5カ月間かけて5種類のミニチュア1000個を完成させた。その名は「やまガチャ段ボール」。10月下旬から販売を始め、JAまつりでも人気を集めた。 【画像】 5種類の「やまガチャ段ボール」 山形村教育委員会が同校に「村内の文化資源を多くの人に知ってもらう活動をしてほしい」と依頼したのがきっかけ。総合的な学習の時間に、カプセルトイ作成を企画した。生徒が同支所を訪れた際、作物梱包段ボール箱に目が留まり、作成がスタート。支所が協力した。 生徒らは、地域をPRする新しい製品になると考えて村の特徴ある農産物を調べ、スイカ、ナガイモ、長ネギ、リンゴ、ゴボウを選択。段ボール箱のミニチュア制作を地元の会社に依頼した。
出来は上々
見どころは、複雑な形状の白ネギの段ボール箱。ネギが見えるデザインで、生産者もうなる仕上がりだ。カプセルには、農産物の説明書を同封。説明文は生産者と相談し、特産物の魅力を伝えられるようこだわった。生徒らは農作物の規格や特産となるまでの話に触れ、生産と流通についても学びを深めた。 生徒らは「制作会社から届いた型紙を組み立てるのに苦労をした」と振り返る。「心のこもった仕上がりだと思う。全5種類をコンプリートして大切に飾り、山形村の農産物に興味を持って食べてもらえたらうれしい」と話す。 役場や村トレーニングセンターに機器を常設し、1回300円でカプセルトイとして販売。好評で完売間近という。 11月上旬に同村で開いたJAまつりでも、カプセルトイの販売機を設置して販売。制作に協力したJA営農生活課の小原太郎課長は「このミニチュアを見た人が、スーパーなどで山形村の農産物を手に取ってくれたらうれしい」と期待する。
日本農業新聞