まさか82歳の父が「闇バイト」に手を出していた…!”怪しい仕事”に高齢者が応募してしまう「切実な理由」
年金生活者だって苦しいんだ
やはりというべきか、闇バイトだと気づかないまま話を聞いていた友人がいた。一方で、聞いた時からおかしいと感じて父に注意しなければと思っていた友人や、同居する家族から「これ絶対にヤバイやつだから」と止められた友人もいたという。 満さんとその周囲を騒がせた「闇バイト未遂事件」から3ヵ月――。82歳の当人に話を聞いた。 「俺もさ、『闇バイト』くらい知っているさ。最近はテレビをつけるとそればかりやっているからね。いい加減覚えたよ。でもさ、8月くらいはまだそんなにニュースでみかけなかったでしょ? ルフィーだったかな? その事件でちょこっと報じられているくらいでピンとこなかったんだ。だから、悪いことに加担するとは思わなくてバイトに申し込んじゃった。スマホ操作が上手と言われて、調子に乗っていたんだろうなぁ」 ――なぜネットの怪しい仕事に応募したのか 「そりゃぁお金だよ。ニュースで若い子たちが『お金が無いから手を出した』と言っているけど、若い子だけじゃないよ。年金生活者も大変なんだよ。老人はお金を溜め込んでいるとか言われているけどさ、ギリギリだよ。だから自分でもできそうで、簡単にお金が入る仕事にはつい手がでてしまう。 Xで見つけた闇バイトも、犯罪に利用されるなんて全然気づかず、それよりも『インターネットを使えば80代でもできる仕事をみつけられるんだ』という夢のような話に、つられちゃった。悔しいやら情けないやら…」
みんなを助けたいと思って失敗
――友人たちに闇バイトをすすめたことについては? 「みんなお金は持ってないからね。老いると働く場所も、体力もなくなる。俺も応募したときは『年齢不問なんで嘘だ。どうせ80を過ぎているから絶対にダメだろう』って思いながらスマホを操作したんだ。そしたら翌日に、『お仕事お願いします』って返信が入っていた。 バイトする場所も近いし、封筒もってウロウロするだけで、2時間もかからないから体力ももつ。それで2万円も現金がもらえるんだから、すごくありがたかった。それでみんなにも助けるつもりで闇バイトを紹介しちゃったんだ。ほんと息子にも友だちにも迷惑を掛けてしまったと反省している」 恥ずかしいうえ、申し訳なさすぎて、しばらくは自主的に自宅謹慎したそうだ。