【老齢年金】リタイア前に知っておきたい「年金額を増やす」4つの方法とは
40歳代や50歳代になると、老後資金の準備について考える方が増えてきます。老後の生活費は主に年金でカバーしなくてはなりませんが、自分たちが年金を受給する頃にはどのくらいもらえるのか不透明です。そのため、年金以外でもできるだけ資金の準備をしておくのが理想的です。 【写真3枚】厚生年金・国民年金の平均受給額は? しかし、具体的にどのような方法で老後資金を準備すれば良いのかわからない方もいるでしょう。 そこでこの記事では、現在の年金受給者の平均受給額を確認するとともに、リタイア前に知っておきたい年金額を増やす方法を4つご紹介していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
厚生年金・国民年金の平均受給額
老後資金の準備をするためには、まず現在の年金受給者がどのくらい年金を受け取っているのかを知る必要があります。 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金の平均受給額はそれぞれ以下の通りです。 厚生年金の平均受給額は、全体で14万3973円ですが、男性が16万3875円、女性が10万4878円と、女性の方が約6万円少ない状況です。 一方、国民年金の平均受給額は5万6316円で、男女間での差はほとんどありません。 厚生年金と国民年金を比較すると、国民年金は厚生年金よりも約8万7000円少なくなっています。国民年金のみ受給する自営業や個人事業主などの方は、現役時代から老後資金の準備を早めに始めておく必要性が高いといえます。 ここまで、年金の平均受給額を確認してきましたが「思っていたより少ない」と感じた方は少なくないかもしれません。 しかし年金額は工夫すれば増やすことが可能です。次章では年金額を増やすための方法を4つご紹介していきます。
年金額を増やすための方法4つ
老後に受け取る年金を増やす方法として、主に以下のものが挙げられます。 ・繰下げ受給をする ・定年後も働いて厚生年金に加入する ・付加年金に加入する ・未納分がある場合は追納する それぞれの方法について詳しく確認していきましょう。 ●繰下げ受給をする 厚生年金や国民年金は、原則として65歳から受給開始となりますが、希望すれば66歳以降75歳までの間に繰下げて受給することが可能です。1ヵ月繰下げるごとに0.7%増額され、増額率は一生涯そのまま変わりません。 厚生年金と国民年金は別々に繰下げできるため、例えば国民年金は65歳から受給開始し、厚生年金のみを70歳から受給開始することが可能です。 5年繰下げて70歳から受給開始する場合の増額率は42%、75歳まで繰下げた場合は84%です。例えば、国民年金を65歳から原則通り受給開始すると80万円の場合、70歳に繰下げると42%の増額となり113万6000円を受給できます。 ●定年後も働いて厚生年金に加入する 厚生年金には70歳まで加入できるため、定年後も働き厚生年金に加入することで、受け取る年金額を増やすことが可能です。厚生年金は、年収や加入期間などによって受給額が決まり、加入期間が長いほど受給額も高額になります。 働いていれば、毎月の給与が受け取れるほか、勤務先によっては賞与なども支払われます。また、年金の繰下げ受給の増加率も適用されるため、年金額を大幅に増やすことが可能です。 ●付加年金に加入する 自営業や個人事業主といった国民年金の第1号被保険者は、付加保険に加入するのもひとつの方法です。 付加年金とは、国民年金に上乗せして支給されるもので、毎月の保険料のほかに付加保険料として400円を納付します。 付加年金の金額は「200円×付加保険料納付月数」で計算されます。例えば、付加年金に20年間加入した場合の受給額を計算してみましょう。 ・納付保険料:9万6000円(400円×240月(20年)=9万6000円) ・付加年金受給額:4万8000円/年(200円×240月=4万8000円) 20年間付加保険料を納付すると、付加年金として年額4万8000円がプラスされます。つまり、2年間納付すれば元が取れるということです。 ●未納分がある場合は追納する 国民年金で、保険料の免除や猶予期間がある場合や、学生納付特例を利用した場合など、保険料の未納分がある場合は、追納することで年金額を増やすことが可能です。 ただし、追納できるのは追納が認められた月の前10年以内のものに限られます。 また、免除や猶予を受けた期間の翌年度から3年度目以降の保険料については、通常の保険料に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。納付期限や加算額を考えて、早めに追納するのがおすすめです。