古民家が複合施設に レンガ窯使い本格パン提供 民泊・テナントも備える/兵庫・丹波市
兵庫県丹波市春日町多利の築約140年の古民家が、パン店や民泊、テナントなどの機能を兼ね備えた複合施設「もぐ」として生まれ変わろうとしている。都市部の人が自然の空気を目いっぱい感じられ、地元住民も集える場にしようと、生地のデザイン業を中心に不動産、飲食などの事業を手がける「フレスデザイン」社(本社・大阪府箕面市)が整備している。 【写真】パンを焼くレンガ窯 施設内のパン店「PILKELEIPA(ピルケレイパ)」は、2階建ての離れの1階を活用し、すでに5月にオープン。同県多可郡多可町で20年以上パン店を営んだ男性が提供している。
珍しいレンガ窯を使い、まきで焼く「ウインナーフランス」「クルミカンパーニュ」などは、外はぱりっ、中はふわっとした食感が自慢。オーブンで焼くメロンパンやフレンチトーストといった王道メニューや、フィナンシェなどの焼き菓子も用意する。 テイクアウトが基本だが、眼前に広がる田園風景を見ながら、その場で食べることもできる。体に優しい自然素材を使ったコーヒーやレモネードなどのドリンクも提供したいという。
民泊は、母屋を活用し、近く始める予定。1日1組限定で、宿泊は13人まで。ヒノキ風呂もある。専用スペースで読書ができたり、食材を持ち込んでバーベキューが楽しめたりと、スマートフォンなどの電子機器から離れ、田舎の空気が感じられる空間に仕上げる。 離れの2階部分は、テナントとして整備する計画。飲食メニューや手作り雑貨の販売などを想定している。地元農家らが野菜などを販売できる場にしたい考えもある。 同社は「誰もが集まれて、ゆっくりと落ち着く気持ちになり、ストレスから解放される場所にしたい」という。 パン店は火、土、日曜の正午―午後5時に営業(9月中は土、日曜のみ)。
丹波新聞社