デジタル技術で地域の「聖地化」など推進 JR東日本と松竹が連携
JR東日本と松竹は18日、デジタル技術を活用した観光・地方創生などを推進するため、包括的な業務提携を締結した。JR東が開発に力を入れる高輪、浜松町・竹芝と歌舞伎座がある東銀座の3エリアをつなげたナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)の充実にも取り組む。 【写真特集】デジタル技術で地域の「聖地化」など推進 JR東日本と松竹が連携 来年度以降、具体化を進める。観光・地方創生では、地域性のある歌舞伎演目やアニメコンテンツを生かした地域の「聖地化」を進めて都市部から地方への誘客を目指す。現実世界と仮想世界を組み合わせた「MR(複合現実)」技術を活用し、新幹線の車内で歌舞伎などのコンテンツを楽しめる「デジタルエンタメトレイン」を始めるほか、将来的には新しい歌舞伎演目づくりにも挑戦するという。都市部のエンターテインメントを地方で臨場感を持って体験できるよう、オンラインで各地を巡業する仕組みも計画している。 松竹のコンテンツと交通系ICサービス「Suica(スイカ)」の移動データを使い、ストレスや興奮などのデータを組み合わせた最適な街歩きプランの提案など健康増進分野でも協力する。JR東日本の喜勢陽一社長は「リアルとデジタル相互の強みを生かし、文化の力のアップデートによる心豊かな活力のある社会を実現する」と説明した。 また、松竹はJR東の複合開発プロジェクト「高輪ゲートウェイシティ」にも関与する。松竹の高橋敏弘社長は「高輪と言えば泉岳寺、歌舞伎の演題にもなっている忠臣蔵が有名。地域の持つこうした歴史や物語を未来につなぎ、新たな交流や地域活性化に貢献したい」と話した。【佐久間一輝】