「焼肉×白米は最強なのに…」焼肉には発がん性があり、白米は糖尿病や脳卒中のリスクを上げる…最新のエビデンスに基づいた“本当に身体に悪い食べ物”とは
健康に悪い食べ物(3) バターなどの飽和脂肪酸
油にも健康に良い油と、健康に悪い油がある。一般的に、常温で固形で、乳製品や肉などの動物性の脂肪のことを飽和脂肪酸という。 一方で、常温で液体で、植物に由来する油のことを不飽和脂肪酸という。 健康に良い油の代表格が不飽和脂肪酸のオリーブオイルであるのに対して、健康に悪い油の代表はバターなどの飽和脂肪酸である。 バターの摂取量が多い人ほど、わずかであるものの死亡率が高いということが複数の研究をまとめた研究[*8]で報告されており、バターは健康に悪い食品であると考えられている。 たまに楽しみとして嗜むくらいであれば問題ないと考えられるものの、日常的に使う油に関してはオリーブオイルなど植物性の油にすることをおすすめする。 図/書籍 津川友介著『あなたを病気から守る10のルール』 写真/shutterstock
脚注
*1 Bouvard V et al. Carcinogenicity of consumption of red and processed meat. Lancet Oncol. 2015;16(16):1599-1600. *2 Takachi R et al. Red meat intake may increase the risk of colon cancer in Japanese, a population with relatively low red meat consumption. Asia Pac J Clin Nutr. 2011;20(4):603-612. *3 Wang X et al. Red and processed meat consumption and mortality: dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Public Health Nutr. 2016;19(5):893-905. *4 Kaluza J et al. Red Meat Consumption and Risk of Stroke: A Meta-Analysis of Prospective Studies. Stroke. 2012;43(10):2556-2560. *5 Hu EA et al. White rice consumption and risk of type 2 diabetes: meta-analysis and systematic review. BMJ.2012;344:e1454. *6 Nanri A et al. Rice intake and type 2 diabetes in Japanese men and women: the Japan Public Health Center-based Prospective Study. Am J Clin Nutr. 2010;92(6):1468-1477. *7 Aune D et al. Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies. BMJ. 2016;353:i2716. *8 Pimpin L et al. Is Butter Back? A Systematic Review and Meta-Analysis of Butter Consumption and Risk of Cardiovascular Disease, Diabetes, and Total Mortality. PLoS One. 2016;11(6):e0158118. 後注1 「統計的に有意」とは、偶然では説明できない強い関係性が認められることを意味する。 後注2 アメリカ人においては赤い肉の摂取量が多いほど死亡率が高かったが、欧州やアジアの人では関係は明らかではなかった。
---------- 津川友介(つがわ ゆうすけ) 東北大学医学部を卒業後、ハーバード大学で修士号、博士号を取得。聖路加国際病院、世界銀行、ハーバード大学勤務を経て、2017年から現職。著書に10万部超のベストセラー『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』、『世界一わかりやすい「医療政策」の教科書』、共著に『「原因と結果」の経済学』などがある。 ----------
津川友介