「インターネット革命の後半戦はＡＩが主役」「フィジカルに世の中を変えるのはロボット」…ＧＭＯインターネットグループ・熊谷正寿会長兼社長
ＧＭＯインターネットグループは、ＡＩ（人工知能）の導入を支援する新会社を設立した。国内外から産業用ロボットを調達し、業務の効率化を目指す企業に提案する。グループの創業者、熊谷正寿会長兼社長に狙いを聞いた。（聞き手・小沢妃）
「ＧＭＯは１９９５年にインターネット事業を開始して、２００４年に上場した。当時はインターネットが産業革命だと説明しても笑われた。今となっては疑う余地もない。
産業革命は過去平均で５５年くらいの周期で続いている。今回はマイクロソフトのＯＳ（基本ソフト）『ウィンドウズ９５』が発売されて２７年がたち、折り返しくらいになっている。偶然にこのタイミングで、米オープンＡＩが（対話型ＡＩサービス）チャットＧＰＴを発表した。異次元の成長ぶりで、前半の２７年を濃縮したような感覚だ。
インターネット革命の後半戦は、ＡＩが主役になるだろう。この先、何が来るのか。ＡＩはあくまでネットで、フィジカルに世の中を変えるのはロボットだ。必ず増える。実は、ロボットとＡＩは相思相愛の関係にある。ＡＩは（文章生成のような）テキストから始まり、画像や音声対応もできるようになっており、（種類が違った情報を処理する）マルチモーダルと呼ばれている。今やありとあらゆるセンサーにつながっている。
ロボットは、今まではプログラム通りに動いていた。たとえば、荷物を運ぶロボットは、人間が作ったプログラム通りに倉庫を動き、想定外の荷崩れが起こると止まってしまう。ＡＩを搭載していれば、自分で考えて目標が達成できる。
ＡＩとロボットがつながるのに必要なのはネットやサイバーセキュリティー、データセンター。当社はこの分野の最大手だといえる。二つの産業を結びつける、縁結び役になろうと思っている。
新会社に商事という名前をつけた。産業の黎明（れいめい）期に旧財閥が商社を使っていたのに敬意を払った」
