【山形】戸沢村蔵岡地区の復興コンサート
YTS山形テレビ
7月の記録的大雨で、戸沢村蔵岡地区は集落全体が浸水し、村では集団移転の検討を進めています。 こうした中、被災した地区の住民みずからが企画した復興コンサートが行われました。 きのう(10月30日)午後6時ごろ、戸沢村中央公民館には地域の住民が次々に集まり、久々の再会を喜ぶ姿が見られました。 イベントを企画したのは、戸沢村蔵岡で生まれ育った矢口浩一さんです。 7月の記録的大雨で最上川が氾濫し、集落全体が浸水した戸沢村蔵岡地区。 矢口さんの家も床上浸水の被害に遭いました。 仮設住宅や新庄市に住まいを移すなど、蔵岡を離れる人が多くいる中、地域のつながりを維持したいと考え、このイベントを企画しました。 【インタビュー】「(蔵岡など)地域がバラバラになっていく、間違いなく。先が見えていない状況ですが、歌を聴いていただき、ぜひ一歩先に出てほしいという思いを込めて企画した。一歩出れば2歩、3歩いけるのかなと。」 ボランティアのほか、矢口さんの知人で沖縄県西表島出身のシンガーソングライター池田卓さんがイベントの趣旨に賛同し、コンサートを開催。 池田さんは、9曲を披露したほか、軽妙なトークで集まったおよそ50人の人たちを和ませました。 最後の一曲に選んだのは、沖縄の方言で「がんばろう」という意味がある「ちばりよ」でした。 「ちばりよ、ちばりよ、ちばりよ、がんばれよ。それでもだめなら立ち止まればいい。そしていつの日か歩き出せばいい。」 力強い歌声と優しい歌詞が、地域の人たちの活力になったようです。 【インタビュー】「こんなことで負けていられないという勇気をいただいて本当に感謝したい。」「歌ももちろんなんですけど、話がすごく心に響くものがありました。」 地区の集団移転など多くの課題を抱えるなか、コンサートを通じて住民の絆が一段と深まっている様子でした。 【山崎地区会長】「(蔵岡は)色んな課題があるが、懸命にリードしながら、共に歩みを進めていきたいという自信が湧いてきた。」