《滋賀県》「カリーニョ」が結成8周年=ブラジル音楽コンサートで市民交流
滋賀県で在日日系ブラジル人やペルー人などの海外出身者と地域住民の相互理解を深める活動を行う国際交流グループ「カリーニョ」(高橋ファビオ、ナカンダカリミドリ両代表)が23日、同県湖南市立水戸小学校で、結成8周年を記念した多文化共生ライブと交流会を開催した。当日は勤労感謝の祝日と重なり、地元では多くのイベントがあったにもかかわらず、地元の日系ブラジル人、日本人の老若男女約70人が参加し、サンバやボサノバをはじめとするブラジル音楽などのブラジル文化の魅力に触れ、交流会は盛り上がりをみせた。 カリーニョは2016年11月の創設以来、ポルトガル語学教室や神戸市立海外移住と文化の交流センター(旧移民収容所)への見学会など、様々な交流活動を実施してきた。中でも言語の壁を越えて親しむことのできる音楽コンサートに力を入れてきた。今回は創設6周年や2017年に同市で開催したラテンコンサートで、「カリーニョの多文化共生活動は素晴らしい。音楽や文化を通しての交流に協力したい」とカリーニョの活動に共感したジャズピアニストの青木弘武さんがボランティアで駆けつけ、日伯の音楽が演奏された。 参加者がより交流できるように、日本語の歌(中島みゆきの『糸』)とポルトガル語の歌(アントニオ・カルロス・ジョビンの『イパネマの娘』)の歌詞カードが配られ、皆で合唱した。先日、ラテングラミー賞を受賞したエルメート・パスコアルの代表曲『O Ovo』と『Bebe』が演奏されると、来場した子どもたちもステージに上がり、打楽器を叩いた。子どもたちが国籍を越えて触れ合い、会場全体に笑顔が広がった。 会場となった水戸小学校は、県内でブラジルを中心に多くの外国にルーツのある児童が在籍することで知られている。ブラジルの国民的漫画『モニカ』の作者であるマウリシオ・デ・ソウザ氏も同地域を訪ねたことがあり、その縁でカリーニョのロゴマークはソウザ氏が特別に無償で制作した。会場には日系の若者を支援している団体「イミラボ」の活動紹介ブースなども設置し、多文化共生について参加者の理解が深められた。 カリーニョの青木義道事務局長は「多くの方々の温かい協力とカリーニョ(優しさ)のもと、子どもから大人まで、世代や国籍を越えたカリーニョならではの文化交流をすることができました。この活動を通じて、これからも地域の身近な国際交流を推進していけたらと思っています」と今後の活動へ意欲を示した。