「カリコレ 2024 THE FINAL」全上映作品発表 ジェナ・オルテガ出演作に白石晃士秘蔵作も
7月12日から8月8日の4週間にわたって新宿シネマカリテで開催される映画祭「カリコレ 2024 THE FINAL」の全ラインナップが発表された。 【写真】「カリコレ 2024 THE FINAL」全上映作品(多数あり) 新宿武蔵野館の姉妹館として新宿駅前に2012年にオープンしたミニシアター「新宿シネマカリテ」を会場に、オープン2年目の2014年7月から毎年真夏に開催されてきた映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション」(以下、「カリコレ」)。国境を越えて多彩なジャンルの作品を揃え、日本未発表作品やゲストを招いての特別上映も行ってきた映画祭が、今年で記念すべき10回目、そしてファイナルを迎える。 まず新たにラインナップに加わったのは、幼少期にシャークアタックに遭い片腕を失うというハンディキャップがあるにもかかわらずサーフシーンの第一線に返り咲いた、映画『ソウル・サーファー』の主人公ベサニー・ハミルトンのドキュメンタリー映画『ベサニー・ハミルトン:アンストッパブル』。家族への密着取材、過去の貴重なライディング映像を織り交ぜながら、二児の母親となった現在も映画タイトル通り“立ち止まらず”に限界に挑戦し続ける孤高のプロサーファー、ベサニーの姿を追ったドキュメンタリー映画だ。 アルゼンチンからは、ある女性の危険な欲望を描いた『エレクトロフィリア‐変異-』がラインナップ。落雷の後遺症で雷が通り抜けた跡に血管が浮かび上がるようになったアダは、電流に性的興奮を覚えセックスでオーガズムに達すると放電のような現象も起きるようになる。彼女はその感覚を共有できる落雷経験者のグループに参加し、そこでリーダーの男フアンと出会ったことから危険な恋に落ちていく。監督を務めたのは、カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ受賞作『XXY~性の意思~』のルシア・プエンソ。シネマカリテで2020年に公開された『エマ、愛の罠』のマリアナ・ディ・ヒローラモがヒロインを演じた。 韓国からは、ドラマ『親愛なる判事様』『ヒョンジェは美しい~ボクが結婚する理由(わけ)~』などで知られるユン・シユン、ドラマ『輝くウォーターメロン~僕らをつなぐ恋うた~』で知られるソル・イナが紡ぐ韓流ラブコメディ『私たちの恋が香りとして残る時』がラインナップ。ノ・サンヒョン、ユン・ジョンスや、キム・スミらがカメオ出演している。 また、2023年5月にシネマカリテで公開され大好評を博したメーサーロシュ・マールタ監督特集で惜しくも取り上げられなかった『日記』シリーズの第1編と言われる『日記 子供たちへ <4Kレストア版>』が日本初上映。1984年のカンヌ国際映画祭で、女性監督としては初めて審査員特別グランプリを受賞した本作が、4Kレストア版として蘇る。 日本からは、『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』に続き、今夏には『サユリ』の公開が控える白石晃士監督の秘蔵未公開作品が独占上映。白石監督からは、「この作品の内容は秘密ですが、ホラーではあります。しかし今までの私のホラー映画とはまた違った味わいのある、【エレガントな和製ホラー】となっております。敬愛する複数の監督の作品に多数出演された名優との刺激的な初仕事でもありました。果たしてそれが誰なのか? ぜひ劇場でご確認ください!」と予告メッセージも届いている。 そのほか、『ウェンズデー』のジェナ・オルテガが出演するアメリカンコメディホラー『アメリカン・カーネイジ』、オルガ・キュリレンコがローマ帝国に立ち向かう復讐アクション劇『ブーディカ 美しき英雄』、空き家になった夫の実家に移り住んだ夫婦だったが、ある日を境に夫の様子が夜な夜な豹変していくホラー映画『ナイトマン 夜の殺人者』などが上映される。 また、第1弾ラインナップ作品として発表された『#スージー・サーチ』に続き、カリコレプレミア上映作品も。主演ジョゼフ・ウィンターが妻のヴァネッサと二人三脚で監督・脚本・制作・編集まで手がけ、ジョゼフの音楽に合わせて作り上げられたPOVホラー『デッドストリーム』、アレックス・デ・ラ・イグレシアのデビュー作にしてカルトムービー『アクション・ミュタンテ』が4K版で蘇る。 さらに、カリコレの為に調達された特別プレミアム上映企画も。フランスを代表する女優ブリジット・バルドーが9月28日に満90歳を迎えるのを記念して9月13日から開催される『ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ -BB生誕90年祭-』から先行して、2作品を特別上映。1本目は『BB生誕90年祭』でも上映される『裸で御免なさい』。そして2本目は今回、本邦初公開(日本初上映)となる新作ドキュメンタリー映画『ブリジット・バルドー 誤解』。バルドーにまつわる様々な“誤解”を貴重な映像資料を駆使しビデオレターのようなユニークな手法で考察していくドキュメンタリーだ。なお本作は、「BB生誕90年祭」の上映プログラムには入っていないため、カリコレ2024だけの貴重な上映となる。 「アスミック・エース meets カリコレ®SPセレクション」では、ガエル・ガルシア・ベルナル主演の『ノー・エスケープ 自由への国境』、ポール・ウォーカー主演、リュック・ベッソン脚本の『フルスロットル』、トミー・リー・ジョーンズが監督・主演を務めた『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』、松尾スズキ初監督作品『恋の門』、井坂聡監督と浅野忠信によるサスペンス『[Focus]』が新たにラインナップに加わった。 また、『ダリオ・アルジェント PANICO』では、7月20日12時40分の回本編上映後に、ホラー映画ライターの山崎圭司と是空プロデューサーの鈴木淳一によるトークショーが実施される。さらに、今回の上映にあわせて『ダリオ・アルジェント PANICO』のTシャツ2種、ポスター、そしてダリオ・アルジェント監督アクリルスタンドのグッズが特別に販売される。 カリコレ10周年を記念する映画祭ラストのメインビジュアルは、カリコレのビジュアルを長年手がけきたイラストレーター田中梓の描き下ろし。今回はおなじみのメインキャラクターのアリスたちが明るく登場するレッドカーペットを背景に、田中が手がけた歴代の「カリコレ」メインビジュアルが彩られているフィナーレに相応しいビジュアルとなっている。
リアルサウンド編集部