「トー横」の補導、1~11月に725人 警視庁「近づかないで」
東京都新宿区歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる一帯で1~11月に補導した少年・少女が725人だったことが警視庁のまとめでわかった。前年同期より138人(16%)減ったが、多くの子どもが犯罪に巻き込まれている深刻な状況は変わっていないといい、同庁はパトロールや補導を徹底する方針。 【写真】未成年とみられる若者(中央)から事情を聴く警視庁の捜査員ら=2024年12月14日午後11時15分、東京都新宿区歌舞伎町1丁目、吉村駿撮影 少年育成課によると、補導されたのは女性が多く、居住地は「都外」が半数を超えた。補導の内容は、深夜徘徊(はいかい)▽家出▽無断外泊――が目立ち、全体の約3割を占めた。市販薬の過剰摂取「オーバードーズ(OD)」では、のべ22人が補導され、昨年同期の13人を上回った。 同課はSNSの影響でODに興味を持つ若者が増えているとみており、12月に都薬剤師会と連携し、都内の中学・高校で「薬物乱用防止教室」を始めた。薬局などに、薬を大量に買う若者に事情を聴くよう協力も求めている。 同課の今村輝明課長は「トー横には悪意のある大人がたくさんいる」と指摘。「冬休みになるが、好奇心で近づかないでほしい」と呼びかけている。 トー横は、家庭や学校に居場所がない未成年が全国から集まるとされ、売春やODなどに巻き込まれるケースが後を絶たない。警視庁や東京都、新宿区の職員のほか、住民らがパトロールや声かけ、補導を実施している。
朝日新聞社