「ウォーキングで健康増進」の落とし穴とは?
ウォーキングと食事制限だけでは筋肉が減少
有酸素運動は遅筋を使う運動なので、それだけでは筋肉が増えません。しかも、ダイエット目的でウォーキングに加えて食事制限をした場合、何もしない人よりも筋肉量が少なくなってしまうという研究結果もあります。これは、食事の量を減らすと筋肉中のたんぱく質の分解が進み、筋肉が減少してしまうためです。筋肉が減ると糖の利用も減少し、脂肪として蓄積されやすくなるため、脂肪が増える恐れもあります。 「ダイエットで3kgの減量に成功したとしても、脂肪と一緒に筋肉まで減った人と、脂肪メインで減った人ではまったく意味が違ってきます。ウォーキングと食事制限を行うなら、筋トレも取り入れましょう。筋肉が増えると、糖や脂肪が燃焼しやすくなり、リバウンドしにくい体になります」と、上記の研究を行った筑波大学大学院スポーツ医学専攻教授の久野譜也氏は話します。 筋トレと有酸素運動の両方を取り入れることで、速筋と遅筋がバランスよく使われ、より効率良く、より多くのエネルギーを燃焼させることができます。特に、大きな筋肉が集まる下半身を筋トレで鍛えることは、将来の転倒・寝たきり予防にもつながります。ウォーキングと一緒に、スクワットなどの筋トレもぜひ取り入れてみましょう。 ※この記事は、「ウォーキングでは筋肉が減少?! 誰もが確実に筋肉を増やす鉄則」(田中美香=医療ジャーナリスト)を基に作成しました。