秋ドラマから『ドクターX』に続く「テレ朝のドル箱」が生まれた理由。35歳新婚俳優の現在地に関係アリか
長期シリーズ化でも“金属疲労”しにくいワケ
そんななか、一昨年誕生したのが『ドクターX』の脚本家・中園ミホ氏が手掛ける『ザ・トラベルナース』でした。 主人公とバディはひとつの病院にとどまらず、問題を抱えた病院を転々としていくフリーランスの看護師のため、前作が始まったときからシリーズ化しやすそうな設定だと感じていました。 主人公とバディ以外のレギュラーキャラたちが人気を博していれば、同じ病院を舞台に続編を作ることもできますし、それだとマンネリしてしまう懸念があるということなら、続編の舞台を違う病院にしてサブキャラを総入れ替えすることも容易だからです。実際、今秋の第2シリーズは、第1シリーズとは違う病院に主人公とバディが勤めていました。 主人公の設定が長期シリーズ化しても“金属疲労”を起こしにくいようになっているのは、企画立ち上げ当初からシリーズ化を想定していたからでしょう。 その証拠に、第2シリーズの放送が発表された際の公式サイト掲載のインタビューで、岡田将生さんは続編が決まったときの心境を尋ねられた際、「前作を撮っている最中からチーム一丸となって、続編を目指せるように頑張っていたのですが、まさか2年で帰ってこられると思っていなかったので、本当にうれしかったです」とコメントしているのです。
岡田将生自身がシリーズ化を熱望していた…!?
2022年当時すでに、『ドクターX』が遠くないうちにシリーズ完結するだろうという噂が持ち上がっていましたので、テレ朝としては人気脚本家である中園ミホ氏が携わる、新たなドル箱シリーズを生み出したいという算段があったように感じます。 一方主演の岡田さんは、先ほど紹介したインタビューの発言を踏まえると、彼自身もシリーズ化を望んでいたことがわかります。 現在35歳で“若手イケメン俳優”から“演技派中堅俳優”と言えるポジションになりましたが、これからもずっと役者を生業(なりわい)にしていくにあたって、40代になっても演じられて、堂々と代表作と言えるシリーズものを作っておきたかったのかもしれません。 高畑さんとの結婚もありましたので、安定して長年演じ続けられる役者としての“柱”を欲していたタイミングだったのではないでしょうか。