なぜ? 韓国で突然の“戒厳令” 一転、6時間で解除…軍は撤退
日テレNEWS NNN
韓国の尹錫悦大統領は3日夜、「国政がマヒ状態にある」として、44年ぶりとなる「非常戒厳」を宣言しました。これに対し、韓国の国会が戒厳の解除を求め、一転して、4日朝になり解除が正式に決まりました。これまでの経緯を振り返ります。 ◇ 西山聡記者・NNNソウル 「すでに時刻は0時半を過ぎているのですが、国会の前には、国民に対して『前に集まるように』と呼びかける声が上がっています。実際かなりの数の人が集まっています」 4日未明、韓国・ソウルの国会議事堂前に集まった多くの国民が叫んでいたのは… 「戒厳令、撤廃しろ!」 この大混乱のきっかけは、3日夜に行われた尹錫悦大統領の宣言でした。
尹錫悦大統領(緊急談話、午後10時半ごろ) 「親愛なる国民の皆様。大統領として血を吐く気持ちで、国民の皆さんに訴えます。自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布します」 突然の“戒厳令”。 国の非常事態だとして、憲法や法律の効力を一部停止し、行政と司法を軍隊の支配下にうつす命令を下したのです。今回宣言した「非常戒厳」は、軍の統制がより広範囲になるもの。44年ぶりに宣言されました。 しかし、なぜ…? 尹錫悦大統領 「(野党は)憲法と法で成り立つ正当な国家機関を撹乱(かくらん)させていて、これは内乱を企てる明白な反国家行為です」 尹大統領は、野党が政府高官らへの弾劾訴追を進めていることなどを挙げ、国政を麻痺(まひ)させているためとしています。
これにより警察が国会の入り口を封鎖。国会周辺には、宣言を受け発足した軍の「戒厳司令部」部隊が展開するも、国会への進入を阻止しようとする国民と、もみ合いになりました。 中には、軍の銃につかみかかる女性の姿も。 女性 「離して!」 上空からは軍のヘリコプターが、国会の敷地内へ着地。続々と軍が向かい、窓などから進入を試みます。
しかし、中では議員や職員でしょうか。人の壁を作り、机や椅子などでバリケードを作り、両手に消火器を持つ男性の姿も。なんとか食い止めようとしますが、軍が突入。その瞬間、消火器が噴射されたのか、辺りは真っ白になりました。 戒厳司令部は、国会や政党などの一切の政治活動を禁止し、メディアも戒厳司令部の統制を受けると発表しました。 ◇ 直後に最大野党の党首はYouTubeでこう訴えました。