義母に「二世帯住宅のほうがいろいろお得よ」と言われました。本当にお得なのでしょうか?
その他の税制的なメリットもある?!
不動産を取得するときには、不動産取得税、固定資産税が発生しますが、要件を満たすことで税額を減らすことが可能になります。代表的なものとしては下記のとおりです。 ●不動産取得税・・・住宅を新築した場合、課税標準から2分の1の控除が受けられ、本来4%の税率が3%になる。 ●固定資産税・・・戸建の場合、税額を3年間税額を2分の1に減額(マンションの場合5年間税額を2分の1に減額)。
デメリットについても目を向けよう
二世帯住宅にすると、メリットばかりのように思えるかもしれませんが、デメリットも生じてきます。 まず、金銭的な問題としては、二世帯住宅で暮らしていない他の兄弟姉妹がいるときには、税制上は節約できたとしても、相続財産の内容が不公平になってしまう等、分配方法を巡ってトラブルになってしまう可能性があります。 特に相続が発生した場合大きな金額を相続人で分配するケースもあるでしょうから、あらかじめ相続財産の配分について家族で話し合っておくことも必要です。また、経済的価値が相続人同士均等になるように、事前に準備しておく等の対策も重要なポイントです。 さらに、二世帯で生活することにより、精神的な負担が生じる可能性も見逃せません。 二世帯住宅で暮らすというのは、ある意味、親世代やそれ以上の世代がこれまで行ってきた付き合い方を継続することも意味します。冠婚葬祭以外の親族の集まりなどへの参加や外部からの干渉が生じる可能性があります。 また、親世帯と至近距離で暮らしているため、親からの過干渉があったり、プライバシーが失われてしまったりすることもあるかもしれません。二世帯住宅にはたくさんのメリットがある反面、あらかじめルールを決めておかないと、後からトラブルになってしまうケースもあるのです。 二世帯住宅で暮らしたいと考えているなら、資金計画とともに、どうしたらより税制上のメリットが得られるのかを考えること。また、お互いが気持ちよく生活できるよう、どのようなルールを設けるのが良いのかを話し合っておくことも必要です。 出典 国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例) 国土交通省 令和6年度 国土交通省税制改正概要 P.6、16 執筆者:飯田道子 ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
ファイナンシャルフィールド編集部