明豊・米田が同姓右腕から記念アーチ 秘訣は寮長 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第7日の26日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、3年連続5回目出場の明豊(大分)が、2年ぶり7回目出場の市和歌山を破り、ベスト8に進んだ。明豊の8強進出は第91回大会(2019年)以来。春夏通算2500本塁打となる明豊の米田友の本塁打などで2―1で競り勝った。 【明豊vs市和歌山の熱戦を写真特集で】 喜ぶ米田に、悔やむ米田。2人の明暗が別れた。 互いに無得点の四回、明豊の3番・米田が試合を動かした。先頭で左打席へ。視線の先には市和歌山の先発で同姓の米田。「負けたくない」とバットを握る手に力を込めた。 カウント2-2と追い込まれたが「ほとんどが直球」と狙い球を絞った。高めの137キロの直球を強振すると、打球は右中間スタンドへ一直線。公式戦初本塁打が春夏通算2500本塁打のメモリアルアーチとなり、「今までに味わったことがない」夢見心地でダイヤモンドを一周した。 成績優秀で、仲間の人物評は「真面目でガリ勉」。先輩から推薦され、寮長も務める。起床の点呼に消灯の確認、掃除の見回り、寮生活が乱れた際には注意をして回るなど仕事は多岐にわたるが、日の当たらない役割だ。 昨秋は控え選手だったが、ひと冬越えて紅白戦で本塁打を放つなど急成長を見せた。今大会は中軸に起用され、3安打した1回戦に続いて期待に応えている。川崎監督は「毎日の生活から技術はついてくる。それが一番できるのが寮長。すごい能力があるわけでないが、どんどん成長していく」と強調する。 明豊の寮長といえば、思い浮かぶのは2019年センバツ。準々決勝の龍谷大平安(京都)戦で、延長十一回の末に当時の寮長が決勝打を放ち、春夏通じて初の4強入りした。当時、入学直前に試合を観戦していた米田は「当たり前のことを当たり前にやる人が結果を出せると言われてきた。それを信じてやってきて良かった」。チームにとっても縁起のいい、寮長の活躍だ。【安田光高】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。