衛星写真などで見る、スペイン・バレンシア州の洪水被害(海外)
泥水が人、道、建物を茶色に染めた
この銀行は、バレンシア市の南、パイポルタにある。そこでは少なくとも62人が洪水で亡くなり、中には高齢の人もいた。 パイポルタには峡谷が通っており、豪雨の際にその峡谷が氾濫し、中心部一帯が洪水に飲み込まれた。古い家屋や高齢の住人が多いところだとスペインの放送局RTVEは報じている。 マリベル・アルバラト(Maribel Albalat)町長はRTVEに対し、人々は差し迫った危険であるとの警告を受けておらず、洪水は不意打ちだったと語った。
今回の洪水は、スペインにとって過去数十年で最悪のもので、人々は備えていなかった
今回の豪雨の原因は、「コールドドロップ」と呼ばれるものだ。暖かい空気が急速に上昇し、巨大な積乱雲が形成されるとゲリラ豪雨になることがある。 地球全体の気温が上がるにつれ、突然の大雨が世界的に問題になってきている。暖かい空気は 湿気を多く含むからだ。 一部の科学者らが「天候のむち打ち」と呼ぶ現象により、地球の多くの地域では、極度の干ばつと極度の洪水が激しく交互に発生している。 「実際、どの大陸に行っても、どの季節でも、何かしら起こっている」とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でこの現象を研究している気候科学者、ダニエル・スウェイン(Daniel Swain)は2023年1月、Business Insiderに語っている。それはカリフォルニアの干ばつを、一時的に解消した大洪水が起こった後だった。
数千人が救助されたが、多くの人々が閉じ込められたまま
行方不明者の数ははっきりしないままだ、とEFEは報じた。これまでに、約3400人が救助されたという。 今後数十年で地球が温暖化するにつれ、干ばつや雨などはますます極端になるだろう。 それが、科学者らが企業や国、産業に、CO2排出を大幅に削減するよう求め続けている理由の1つだ。状況が変わらなければ、今回のような洪水が今後も増えることを、研究は示唆している。
Joshua Nelken-Zitser,Jessica Orwig,Morgan McFall-Johnsen