カナダ、電力網の排出実質ゼロを15年先送り 2050年目標に
Nia Williams [17日 ロイター] - カナダ政府は17日、2050年までに電力網の温暖化ガス排出実質ゼロを目指すとする「クリーン電力規制(CER)」の最終版を公表した。当初案で目標としていた35年までの実質ゼロ達成を断念した形だ。 政府当局者は会見で、一部の州やエネルギー業界から規制案について、電力供給の信頼性が低下し、価格が上昇するなどの懸念が示されたため、目標を緩和したと説明した。 カナダは既に電力の85%を水力や風力、太陽光などクリーンな電源で賄っているが、35年までに排出量を05年比で45─50%削減する目標の達成はより困難になる。 ウィルキンソン天然資源相はロイターのインタビューで「電力網の脱炭素という点で野心を後退させたわけではないが、(関係者との)協議を通じ、もう少し柔軟性が必要ということが分かった」と述べた。また、排出量を削減するだけでなく、全ての州で信頼性のある電力網を実現するとともに、利用者にとって安価な形で行わねばならないと語った。